愛着 ページ5
傑side
Aが悟と会って帰ってきた日。
私の中できっと悟ともいい勝負するくらい強いと思っていたAが血を流して帰ってきた。
1番に感じたのは手の震え。
そして自覚した恐怖。
最初は私は道具としてAを高専から持ち出したのに、今では愛着どころではないほどの親近感と愛しさを感じていた。
動物やペットへ向ける愛情なのか、あるいは...Aという中身に感じた愛おしさなのか...
どちらにしたって私にとって大切な存在であることは間違いなかった。
他の仲間たちには合わせたことはない。
Aが仲間たちを傷つけるなんて思ってはいないけど、うっかり仲間たちが悟の名前や他の術師の名前を口にしかねないと思ったからだ。
A「う"っ」
傑「珍しいね...君が魘されるなんて...」
手当をして布団に寝かせればよほど疲れたのかすぐ寝た。
多分、私の前ではヘラヘラしているが相当術式を使ったんだろう。
A「な、つ...まえ、髪...へん...」
傑「ワシントン条件がお前を守ってくれると思うなよ？」
危ない危ない。手がてるところだった...
私とした事が...
私も横になってAを撫でていればいつの間にか寝ていた。
◆
◆
◆
「A術師！！どうか、お助けください！」
「A術師！こっちもお願いします！」
「田畑が、雨が降らず干ばつが、きっと呪霊の仕業です！」
私は大昔、死にかけのクソガキだったところを...猿という愛称で呼ばれていた武将に拾われた。
天性の人たらしだったか。
その人の主君は恨まれて部下に殺されたけど、その人は沢山の人に慕われた。
その人は私を拾ったものの適当な家臣に育てさせ次に会った時はクソガキの面影もない大人の姿だったけど、会うなり「術師が向いているだろうな！」と言ってきた。
実際私には才能があったから、その人の紹介で術師になって色々な人を助けた。
いつしか、死にかけのクソガキは人に誇れるほど人を助けた。
天職だと思った。
私はその時から人を助けるのが誇らしかった。
私がこんなに強い力を持って生まれ、死にかけの私を拾ってくれたあの人との出会いも運命だった。
だから、私が弱い人たちを助けないといけない。
「大丈夫かい...って、君は...術師様じゃないか！」
呪霊を祓って祓って祓って。寝る間を惜しんで祓っていた時、袈裟を着た...前髪が特徴的な男に出会った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 442人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moo(プロフ) - リクエスト作品ありがとうございます!ギャグとシリアスのハーモニーが最高に面白かったです！夏呼びが堪らなく愛おしいですー! (7月12日 4時) (
レス) @page15 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 初コメ失礼します。七海建人のビビリなウサギちゃんと言うお話が大好きでいたのですが、伊織様だと知らず、ビビりましたw続編なのですが出ていないのでバグだと思います。もう一度設定する事をお勧めします！多分治ると思うので...更新無理のない程度で頑張ってください (7月10日 14時) (レス) @page12 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊織 凛 | 作成日時：2023年7月9日 19時
