呪霊 ページ20
Aside
教員とかは寮があるらしい。
でも、夏や五条は寮とは別に普通にマンション借りてるらしく、私は一応監視下にということでどっちかの家に帰らなければならなくなった。
A「ふーむ」
夏が帰ってきてソファーにドカッと座ったのはいい。
呪霊になってからやたらと周りの低級呪霊も含む呪霊に敏感になってしまったせい、もしくは猿の習性なのかは私本人も分からないけど、落ち着かなくて私が周囲を確認しに行っていた。
帰ってきたら夏の息が荒かった。
寝ている夏に何をすればいいのやらと頭を悩ませていた。
ワシャワシャ
傑「知恵熱らしいけど、念の為うつらないように向こうに行ってて」ニコッ
私の頭を撫でながら無理に笑う夏の手をどけお姫様抱っこで寝室に運んだ。
傑「A?」
A「仮に風邪とかで熱出してるだけでも...私は呪霊だよ。熱も出なけりゃ風邪なんて引かない。ホントは飯も睡眠もいらないんだから」
そう言えば困った顔をされた。
ギュッ
傑「A...そんなこと言わないでくれ。私にとっては呪霊も人も大差ない。Aが好きなんだから」
手を引かれスッポリ夏の腕の中に倒れ込んだ。
A「また嘘ついてる。また我慢してる。妙に夏がしおらしくなる時はいつも辛くて辛いとき」
怒ったように言っても夏は私に話す気がないらしい。
困った顔で無理に笑っては頭を撫でるだけだった。
暫くすればまだ辛いようで撫でる手を止めて目を瞑った。
息は荒いまま。
A「呪霊を信じちゃいけないのは業界の人間なら子供でも知ってる。でも...どうにかして夏を救いたいと悩んで苦しんで、葛藤してた五条にくらいは、胸の内吐けよ」
聞いちゃいないだろう、そう思いながら夏の頭を撫でて私も目を瞑った。
ーお前のこと好きだわ。俺のになんない?
ー寝言?まだ昼だぞ?
ーオェー、キッモー、俺の真面目な告白そうやって返すんだフーン
五条から告白された時はアッサリしていた。
ーごめん。夏しか見てないから
ただそれだけ私は答えた。
ー悔しいけど、安心した...。お前の主人、ちゃんと鎖で繋いどけよ?俺じゃ多分...ココにすら留めておけねぇから
何処か遠くを見て言う五条は儚く見えた。
自身の無力を自覚している。
諦めにも、あるいは自身への失望、他者への懇願。
そこには深い後悔が伺えた。
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moo(プロフ) - リクエスト作品ありがとうございます!ギャグとシリアスのハーモニーが最高に面白かったです!夏呼びが堪らなく愛おしいですー! (7月12日 4時) (レス) @page15 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 初コメ失礼します。七海建人のビビリなウサギちゃんと言うお話が大好きでいたのですが、伊織様だと知らず、ビビりましたw続編なのですが出ていないのでバグだと思います。もう一度設定する事をお勧めします!多分治ると思うので...更新無理のない程度で頑張ってください (7月10日 14時) (レス) @page12 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2023年7月9日 19時