寝息 ページ28
悟side
3時間後にきっちり伊地知が起こしに来て高専に向かった。
七海の中にいるあの子を起こさないようにと音を立てないように保健室に入れば隣のベッドに腰掛けた。
ー失礼なのは、分かってはいるんですが...私と同じ年に六眼を持って生まれたというお話を聞いて、勝手に兄のように思っていたんですー
兄のように思ってた、か。
僕もきっと、あの家の人間達と同じだった。
僕はこの子を知らなかったのに、この子は僕を知っていた。
同じ年に同じ目を持って生まれた子。
そんなことを考えていれば、テッテッと間抜けな足音を立てながら布を引きずってきた生き物。
兎ver.のうさ子だ。
なにやってんのお前...
A「起こさないようにと思って兎で来たの」ﾋｿﾋｿ
そんな事言ううさ子に笑いそうになりながらも必死に耐えた。
うさ子は人の姿に戻って服を着ると僕が腰掛けてるベッドに横になった。
悟「この汚れてる茶色いのは？」
A「七海が初めてあったときに足に巻いてくれたの。お守り」
土で汚れたハンカチであろう布の端にはAという文字が見えた。
まったく...僕というGLGが側にいながら、七海一筋なんだから...
A「付与、できたよ。いつでもいい」
強張った顔のうさ子に触れれば無効化できる。
僕もいつになく緊張してるけど、大事なこと言い忘れてた。
悟「Aの姿、形が変わって、例へ話せなくなっても、僕達の事を覚えてなくても、僕達とAの関係は絶対に変わらないから。安心して次に起きたときの七海の顔でも想像してなよ」
それだけ言って僕はうさ子に触れた。
ゆっくりとうさ子は目を閉じた。
六眼でその体を見ていれば体内で混じっていた2つの呪力は一方が外へ出ていくのがわかる。
一方の呪力が完全に外へ出たあと少しすれば、七海がスッと起き上がった。
建人「戻っていくんですね」
七海が腕を見ている。
その腕は呪いなのか不気味な模様ができていたがゆっくりと消えていく。
悟「目覚めは？」
建人「最悪です。目覚めて最初に見たものが貴方ですから」
悟「絶好調じゃんwご尊顔なんだから拝めてよw」
うさ子の体は規則正しい寝息が聞こえ始めた。
無効化が成功したんだ。
そしてチラッと布団をめくれば...
悟「何このだらしないワガママボディー。スリムになってることを期待したんだけど？」
同じく寝息をたてる非常食がいた。
それがたまらなく嬉しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 353人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユズナ - 読ませていただきました！めっちゃうさぎさんかわいかったです！正直七海とくっついて欲しかったのと五条とくっついて欲しかったので半々でして両方とくっついてくれてうれしかったです！ (7月10日 22時) (
レス) @page36 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - コメント返しありがとうございます!【立てば芍薬、座れば牡丹、走る姿は鬼の嫁】も気長に待っています〜！リクエスト良いのですか⁉夏油×(小)猿を…！夏「猿が…」猿(呼んだ？)首コテ。夏「君の事じゃないよ」みたいのが読んでみたいので御一考頂けますと幸いです。 (5月19日 2時) (レス) @page37 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 完結おめでとうございます！七海×兎が最高に面白かったです！過激派も是非とも宜しくお願いします！ (5月16日 3時) (レス) @page36 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊織 凛 | 作成日時：2023年4月30日 2時
