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不慣れな土地 ページ2

錆兎side

A「無理無理無理無理。絶対無理よ...。部屋が寝室と居間しか無いって...しかもご飯炊くの釜とか縄文時代ですかこの野郎...。無理よ、本当に。それに私敷布団じゃ寝ないわよ!?せめてクイーン以上のベッドじゃなきゃブツブツブツ」

執事「お嬢様。クイーン以上のベッドなんて置いたら床が抜けますよ?あぁ、鱗滝様。お気になさらず。こう言う方なのです」

鱗滝「あ、あぁ」

ただの金持ちの家の娘か。
俺は少しコイツを過剰評価し過ぎたな。
縄文時代は失礼だろう...。
もはやコイツの言う事が阿呆過ぎて一周回って呆れた。
義勇なんて固まってる...

執事「改めまして。コチラのブツブツブツ言っておられる方は私の主人であるA様です。私の事は...そうですね。気軽にわんことお呼びください(ニコッ」

わ、わんこ?
犬か?
てか、この男。
やけにこの女にくっついて回っていると思ったら、この女が主人!?
こんな女が!?
ありえない。矢張り怪しいな...

鱗滝「まぁ、食事も出来た事だ。今日はゆっくり休むといい」

鱗滝さんがそう言えば俺も義勇も疲れて腹が減っているからガツガツと飯を食べ始めたが...

A「たく...わんに味噌汁...ご飯って今は何時代の食事なのよ...。私は生まれてから一度も箸を持つどころかご飯を食べた事がないことも無い、けど無いわよ?てか、このお箸the木って感じじゃない...ありえないわ...」

そんな声が聞こえてきた。
流石の俺も我慢の限界だった。
だが、食べる手を止めすぐ隣を見れば、文句を言いながらも食べ進めていた女。
目には涙を貯めていた。

執事「許してあげてください...。見知らぬ土地、知らぬ文化に触れて心細かったのです。私では頼りにならず、故郷への寂しさ、恋しさを抱えていた。全ては不甲斐ない私の責任です」

男は悲しそうな顔をした。
それは義勇や俺とも少し似た境遇なのかもしれない。
鱗滝さんに拾ってもらった当初は、俺達もこれ程酷くはなかったと思いたいが、こんなもんだった。
毎日毎日鬼に家族が食われる夢を見ていたし、不安で心細くて、何かに当たらずにはいられなかった。

鱗滝「あぁ、分かっているとも。そこの義勇も錆兎も。環境は違えどお前と同じだ」

鱗滝さんもそう女に優しく言った。
珍しく女は、「そうかもしれないわね」なんて言うもので思わず全員がクスリと笑った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 悪役令嬢   
作品ジャンル:アニメ
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とわ(プロフ) - すごく面白いです!質問ですが執事さんっていくつぐらいですか? (2019年9月13日 8時) (レス) id: a4e9e4fefa (このIDを非表示/違反報告)
安倍川餅 Gurmi(プロフ) - 村田さんの溢れ出す常識人ママン感...あ、好きです!これからも頑張って下さい! (2019年9月11日 23時) (レス) id: e64fb17954 (このIDを非表示/違反報告)
二次元は癒し(プロフ) - こんなに面白い作品久しぶりに読みましたw更新頑張って下さい。応援してます! (2019年9月11日 20時) (レス) id: 39bcbfc432 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください! (2019年9月1日 8時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
りな - 最高!!この作品めちゃくちゃ良かったです!!面白かったです!!更新楽しみにしてます!応援します!! (2019年8月27日 5時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2019年8月25日 20時

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