「虹色の雨粒」:2 ページ10
「それで、ハヤトがやりたいって言ってた曲って何?」
話を切り替えるように夢追さんがそう訊ねた。私はハッとしてポケットからスマホを取り出す。
録音アプリを立ち上げて、ある一つのフォルダを再生して五人に見せた。
「…すっごくかっこよくて素敵ですね!」
「会長さんってこういうハードロック系好きなんですね…意外です」
「でもとってもいい曲で、私感動しちゃいました!」
「ハヤトって作詞できたんだ…」
「みどりそれは失礼じゃない??」
口々に感想を述べられ、私は少し恥ずかしくなって頭を掻く。
この曲を聴いたのは今までにAさん以外にいなかったので、正直不安な気持ちも大きかったのだ。
ほっと内心安堵していたのも束の間。私達はすぐにベースやドラムなど、パート配分に取り掛かった。
「そういえば、今回協力してくださった五名って普段は何をしているんですか?」
私がふと思いついたことをそのまま聞くと、えるさんは軽く答えてくれた。
「実は、普段は緑仙も含めた6人で軽音部に入ってるんだけど…それぞれ都合が合わなくって、実質幽霊部員ならぬ幽霊部活みたいになっちゃってるの。
だからこういう時くらい、誰かの役に立てるように頑張ります!」
とガッツポーズをして言っていた。
普段軽音楽部の部室を使えるのは緑仙さんが特別に許可を取ってくれていたようで、いつも何気なくギターの練習に使えたのも緑仙さんのお陰だと気付いた。
だが本人に感謝の言葉を伝えると、耳まで真っ赤になって黙りこくってしまうのだけれど。
____文化祭まで、あと一ヶ月と少し。
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こみ - 私もこの1年間高2A組だったのですごく嬉しかったです!幸せでした! (2021年4月4日 15時) (レス) id: a0adc0f2be (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - ばちぅ兼もてゃさん» こんにちは。コメント、そして読了ありがとうございます!続編の方は別のお話と同時進行の予定ですので、もうしばらくお待ちください。 (2020年6月20日 18時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
ばちぅ兼もてゃ - こんにちは...ばちぅ兼もてゃです...最初から最後まで全部読んでました、執筆お疲れ様でした!続編も楽しみにしてますね、もちろん読みます (2020年6月20日 18時) (レス) id: 603073c1b4 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 蒼渇さん» 蒼渇さん、コメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで何よりです。よければこれからもお付き合い頂ければ励みになります。 (2020年6月2日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼渇(プロフ) - ひぇ…めちゃくちゃキュンって来ました…好きです!!!!!!!無理せず更新頑張って下さい! (2020年6月2日 10時) (レス) id: c685f96854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 | 作成日時:2020年5月30日 14時