メランコリック ２【平野紫耀】

七十四夜 ページ24

紫耀side





俺の大好きな2人は、優しいから。



きっと俺のいう事を信じてくれる。






その優しさにつけ込んで、愛を2人から奪おうなんて正気ではないことは分かっている。




でも、そうでもしなきゃ2人は俺の事を捨てるから。









捨てられたくない。

友情は皆に与えられても、愛情は愛する人にしか与えられないから。









俺は紫伊の愛する人になりたい。









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車の免許を、とってあまり月日は経っていない。車も新車だ。









高校生と、社会人の間には大きな壁があると俺は思う。




車もその一つだ。





始めて車を運転した時、誰かを乗せたいと思った。どこかに連れて行きたい。一緒に出掛けたい。そう思った。





それは大人が子供の面倒を見る感情と似ていて、急に大人ぶりたくなる。









もちろん、紫伊や廉もこの車に何度も乗せたがその度に俺は大人だという優越感に浸ってしまうから、大人とは怖いものだ。









下校中の紫伊と廉を見つけた俺は、今から何をするのか俺も俺自身が分からない。

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