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「先生って告白されたことあるんですか?」
「そりゃね〜もう今結婚してるし。」
そう言って薬指についている指輪を見せる。
「いいなぁ私も好きな人に告白されたい!」
「へぇ好きな子おんの?誰?クラスの子?」
「えーっとね…」
先生になりたい。という夢を叶えて高校に務めてからはや10年経とうとしている。
今は私が受け持っているクラスの子の桃川と話している。
年頃ということもあり恋バナをすることも多い。
「あぁあったあった!」
彼女は私にスマホの画面を見せてくる。
そこにはかっこいい4人の男性が写っていた。
「浦島坂田船言うんですけどね、この坂田さんって人が好きなんですよ!」
「へぇそうなんや。かっこええな。先生も好きなりそうやわぁ」
少し冗談っぽく言うと彼女は焦り出す。
「えぇ、坂田さんはやめてください!絶対先生にはかなわへんから!」
その後に、先生可愛いもんと付け足す。褒めるのが上手なことだ。
「でも浦島坂田船は好きなって欲しいからなぁ…志麻さんとかどうですか?」
その名前を聞いてふと中学時代を思い出した。
「どの人?」
「この人この人!」
彼女が指を指したのは4人の中でも少し大人っぽい雰囲気の人だった。
私が知っている人とは遠いが、でも近くもある。
なんとなく、確信した。
彼は、私が昔好きだった志麻だ。
こんな風になったんだ。私が知っている志麻はいかにも中学生な時だけだから、少し寂しくもなる。
「昔、好きやった人に似てるわ。」
なんて言って濁す。
私は今の彼を何も知らないから。
「えぇそうなんですか!じゃあオススメの曲紹介するんで聞いてください!」
音楽サイトを開いたスマホをスクロールしていって曲を探し出す。
その時ちょうど昼休みの終了を知らせるチャイムがなった。
「あ、とりあえず…これは私が浦島坂田船の中で1番好きな曲です!」
「年に一夜の恋模様…?」
スマホにメモだけ残しておく。
「また聞いとくからはよ教室行きや。」
「はーい!また来まーす!」
そういい彼女は笑いながら部屋を出ていった。
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作者名:莉緒 | 作成日時:2021年11月15日 22時