貴方に素敵なお手紙を【sm】 (ページ13)

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着くと屋上のドアは少し開いていた。

一気に緊張してくる。

そっと開くと、声が聞こえてきた。

…知らない男子の声が

「あの、俺！Aちゃんのことがずっと好きやった！」

…なんで？

違う、それは俺が言うことで、お前が言うことじゃない。

そうじゃなくて…屋上は俺らだけの場所じゃなかったん？

多分、それに1番腹が立った…というよりも、何か、残念だった。

そう思ってたのは俺だけでAは違うかったんや。

あれ、俺、ここに何しに来たんやっけ。

力が抜けて手からすり抜けた第二ボタンにも気付かず俺はそこから離れた。

もう何も聞きたく無かった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

今、手紙を読んでふとそんなことを思い出した。

Aは俺の手紙を読んでくれたのかは知らないが、俺があの時何か行動を起こしていれば今が変わっていたのかもしれない。

それでも、あれはあれで良かったんだ。

きっと…もうAに会うことは無い。