第三.五話 「生徒会長は青春を食む」:1 ページ8
加賀美side
少し駆け足で階段を降りて、急いで校門へと走る。
はぁっと息を吐いて必死に足を動かし続け、少しすると校門前で待つ二人の影が見えた。
二人は私の影に気付くと、大きく手を振って私の名前を呼んだ。
「ハヤトーっ!遅かったじゃん、どうしたの?」
すらりとした細身の男性の方は、耳につけていたヘッドホンを取って私の顔をまじまじと見つめた。
私は水筒に入ったお茶をがぶ飲みして息を整えた後、ふーっと息を吐いてやっと声を出す。
「ちょっと…生徒会の仕事が長引いてしまって」
「あー、そっか。生徒会長さん大変だったねぇ」
息切れしている私の顔を横目で見ながら、緑髪の小柄な男子生徒はそう声を掛けた。
「小鳥遊さんが手伝ってくれて、どうにか最終下校時刻までには間に合いましたけど」
「たかなし…?あっ、あのよく手伝ってくれるっていう書記ちゃん?」
汗だくの私にタオルを差し出してくれた細身の男子生徒は、思わず手を止めて思い出したように声を上げた。
彼らは、趣味で私とバンドを組んでいる友達。
細身の男子生徒の方は、夢追翔。黒い短髪と赤い目を持つ見た目で、歌うことが何よりも得意。
小柄な男子生徒は、緑仙。緑色の髪を三つ編みにして、桃色の目をしている。夢追さんと同じく歌が上手い。
いつもはクラスがバラバラで話す機会もできず、マトモに喋れるのは放課後や休日くらい。
私はこの時間が、何よりも素でいられるから大好きなんだといつも思っている。
141人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HUMIZUKI・文月 - 加賀美インダストリアルって確かオモチャの会社じゃなかったでしたっけ?まだまだ、浅いので間違ってたらごめんなさい。とても楽しく拝見しています! (2021年8月8日 22時) (レス) id: 600526697d (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 甘鶴摩未来さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて幸いです。第二幕もどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月30日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘鶴摩未来(プロフ) - にじさんじの夢小説を探してて、読み始めたのですが本当に素敵な作品だと思いました!第2幕も楽しみです!! (2020年5月30日 13時) (レス) id: c441c2b911 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 究極のかにかまさん» 究極のかにかまさん、コメント、さらにはTwitterのフォローまでありがとうございます!とても嬉しいです。頑張って書きますのでどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月16日 15時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
究極のかにかま(プロフ) - 初コメント失礼します。興味本位で入ってみた小説なのですが、とても面白いです。Twitterの方もフォローさせて頂きました。これからも応援しています。 (2020年5月16日 14時) (レス) id: 65c58cf727 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:伊織 | 作成日時:2020年5月11日 13時