「サマータイム・メモリー」：４ ページ43
加賀美side
緑仙さんとAさんが「二人きりで」買い物に行くという言葉が耳に入った瞬間、反射的に割って入るように立ち上がってあんなことを言ってしまった。
後ろから夢追さんが驚いたような声を上げたが気にも留めず、ただ自分でも不思議なくらいに声を荒げて。
緑仙さんはそのまま集合場所を伝えて彼女を連れて行き、私はその後夢追さんに落ち着かせるように座らされ、頭を冷やしていた。
ただ、Aさんと緑仙さんが二人きりでというその状況に、反射的に焦ってしまったのだ。
＿＿＿焦った？
どうして。だって、彼女は特に嫌がっていたわけでもなかった。
二人きり、というその状況にどうにも不安になってしまったのだ。
彼女の事を好きだと確信した、あの終業式の日から。
好きな人が、他の人といるのが何だか不安になって嫌になった。
「どうしたの、ハヤト。嫉妬でもしたの？」
夢追さんがそう横から話しかけ、私は彼の言葉にハッとした。
嫉妬。私は、緑仙さんに対してそう思っているのだろうか。彼女の事を好きなっていく度、自分でも知らない感情が湧くのが＿＿＿＿少し、怖くて。
そんな私の悩みをかき消すようにスマホが震えた。確認すると、緑仙さんからメッセージが来ていた。
緑仙終わったよ〜!広場に集合!!
私と夢追さんは席から立ち上がり、フードコートを後にした。胸に、わずかな高揚感を抱いて。
*
広場で二人を待っていると、エスカレーターのある方から二人が息を切らしながら駆け寄ってきた。
一言二言言葉を交わし、ハヤトさんは顔を上げて私の姿を見た瞬間、文字通り硬直していた。
セーラー服っぽい裾がふわりとしたワンピースに、上からノースリーブの薄いレースのような上着を羽織って、いかにも女の子らしいというか、乙女チックな服装を私はしていた。
普段の私なら絶対選びもしないような服に、ハヤトさんは顔を真っ赤にして硬直していた。
「どう？僕のセンスも最高だけど、Aさんがこういう服すごい似合うから楽しくって色々遊んじゃった」
ふん、と胸を張る緑仙さんとその横で立っている私。夢追さんはとても楽しそうに褒めてくれた。
「あの…ハヤトさん？固まってますよ？」
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HUMIZUKI･文月 - 加賀美インダストリアルって確かオモチャの会社じゃなかったでしたっけ？まだまだ、浅いので間違ってたらごめんなさい。とても楽しく拝見しています！ (2021年8月8日 22時) (
レス) id: 600526697d (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 甘鶴摩未来さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて幸いです。第二幕もどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月30日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘鶴摩未来(プロフ) - にじさんじの夢小説を探してて、読み始めたのですが本当に素敵な作品だと思いました！第２幕も楽しみです！！ (2020年5月30日 13時) (レス) id: c441c2b911 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 究極のかにかまさん» 究極のかにかまさん、コメント、さらにはTwitterのフォローまでありがとうございます！とても嬉しいです。頑張って書きますのでどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月16日 15時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
究極のかにかま(プロフ) - 初コメント失礼します。興味本位で入ってみた小説なのですが、とても面白いです。Twitterの方もフォローさせて頂きました。これからも応援しています。 (2020年5月16日 14時) (レス) id: 65c58cf727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊織 | 作成日時：2020年5月11日 13時
