「サマータイム・メモリー」：２ ページ41
ショッピングモールの店内は、クーラーの効いた涼しく快適な空間だった。
ガラス張りの天井から降り注ぐ陽射しが、広大な店内を眩いくらいに照らしていた。子供連れの家族や友人同士のグループ、中には恋人同士のような人もいて、それぞれが思い思いに夏休みの一日をそこで過ごしている。
「それじゃあ、ここから二手に分かれて買い物しようか。僕とゆめおは上のフロアにいるから、ハヤトとAさんは二人で行動ね」
緑仙さんがそう仕切り、私とハヤトさんはそれに頷く。ニヤニヤしながら「楽しんできてね」と手を振って、緑仙さんは夢追さんを連れて行ってしまった。
その後ろ姿を見送って、ハヤトさんも「行きましょうか」と私に声を掛けて歩き始めた。
まず最初に私達が向かったのは、入り口の近くにあった楽器屋さんだった。ギターの弦を新調したいらしく、ハヤトさんは学校では決して見せることの無いキラキラとした眼差しを私に向けて、あれこれと商品を見比べていた。
「あ、これもいいですね！良い音が鳴りそう…」
彼のそんな微笑ましい姿を横から眺めていると、私も釣られて頬が緩んでしまっていた。
私も彼からギターを教わり始めてから、ある程度の基礎知識は持ち合わせているので、何となく彼の話も理解できる。何はともあれ、肩の力を抜けているようで良かった。
いつもハヤトさんが背負っている「生徒会長」という肩書きは、きっと意識していないだけで重荷だろうから。
だからこそ、出来る限り私は彼に飾らないそのままの姿でいてほしいと願っているのだ。
そんなことを考えていると、ビニール袋を抱えたハヤトさんが私に声を掛けた。
「Aさんも欲しいものとか行きたいところとかありませんか？」
「私は…気になっている新作ゲームを見に行ってもいいですか？」
「ええ、もちろん！私も一緒に行きますよ」
年相応ににっこりと笑うハヤトさん。そのまま私の手を引いて、フロアを上った。
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HUMIZUKI･文月 - 加賀美インダストリアルって確かオモチャの会社じゃなかったでしたっけ？まだまだ、浅いので間違ってたらごめんなさい。とても楽しく拝見しています！ (2021年8月8日 22時) (
レス) id: 600526697d (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 甘鶴摩未来さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて幸いです。第二幕もどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月30日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘鶴摩未来(プロフ) - にじさんじの夢小説を探してて、読み始めたのですが本当に素敵な作品だと思いました！第２幕も楽しみです！！ (2020年5月30日 13時) (レス) id: c441c2b911 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 究極のかにかまさん» 究極のかにかまさん、コメント、さらにはTwitterのフォローまでありがとうございます！とても嬉しいです。頑張って書きますのでどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月16日 15時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
究極のかにかま(プロフ) - 初コメント失礼します。興味本位で入ってみた小説なのですが、とても面白いです。Twitterの方もフォローさせて頂きました。これからも応援しています。 (2020年5月16日 14時) (レス) id: 65c58cf727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊織 | 作成日時：2020年5月11日 13時
