第一話 「平凡な少女と崩れる日常」：１ ページ2
ピピ、ピピ…
しつこく鳴る目覚まし時計のアラームを殴るように止めて、私はしばらくベッドの中で身をよじる。
リアルの朝は苦手。でもゲームの朝は好き。
なんてふざけたことを考えていると、部屋の扉をドンドンと叩く音が響き渡る。
「A−っ！さっさと起きなさい！」
母親の怒鳴るような声が聞こえて、私は「んー…」と生半可な返事を返し、ようやく体を起こす、
階段を降りてリビングへ着くと、眠い目を擦りながら朝食を摂って制服に袖を通す。
「いってきまーす」
玄関の扉を開けると、眩しいくらいの春の陽射しが私の目に突き刺さってきた。
にじさんじ高等学校。
私が通ういたって普通の高校。しいて言うならば、制服が他よりもちょっと可愛いところ。
運動部も文化部も様々な種類があるが、私はどこにも所属せず無所属を貫いている。やりたいことが見つからないのと、目立ちたくないからこの選択を選んだ。
私は今までもずっとそう。平々凡々に過ごしてきた少女で、いつだってゲームのモブキャラポジションを確立してきた。
…だがそれも、もしかすれば今年までかもしれないけれど。
二年生に進級してから早三週間。最初はぎこちなく会釈を交わすだけだった教室の雰囲気も、いつの間にか明るい声が響いていた。
…私は、というと。華のJKでありながらいわゆるぼっちでゲームオタク。自分でも異議を申し立てたい位の陰キャっぷりだが、幼い頃から人見知りが激しかったのだから、こうなるまでにそう時間はかからなかった。
その結果、あまり他人に対して関心を持たない性格に育っていた。
厄介ごとに巻き込まれるのは勘弁してほしいし、目立ちたくもない。
…そんな私だが、今年になって初めて、興味を持てる他人が一人出来た。
とか考えていると、思考を遮るように教室の扉が音を立てて開いた。
そこから現れた人物に、クラスの女子生徒の視線は釘付けになる。
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HUMIZUKI･文月 - 加賀美インダストリアルって確かオモチャの会社じゃなかったでしたっけ？まだまだ、浅いので間違ってたらごめんなさい。とても楽しく拝見しています！ (2021年8月8日 22時) (
レス) id: 600526697d (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 甘鶴摩未来さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて幸いです。第二幕もどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月30日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
甘鶴摩未来(プロフ) - にじさんじの夢小説を探してて、読み始めたのですが本当に素敵な作品だと思いました！第２幕も楽しみです！！ (2020年5月30日 13時) (レス) id: c441c2b911 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 究極のかにかまさん» 究極のかにかまさん、コメント、さらにはTwitterのフォローまでありがとうございます！とても嬉しいです。頑張って書きますのでどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月16日 15時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
究極のかにかま(プロフ) - 初コメント失礼します。興味本位で入ってみた小説なのですが、とても面白いです。Twitterの方もフォローさせて頂きました。これからも応援しています。 (2020年5月16日 14時) (レス) id: 65c58cf727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊織 | 作成日時：2020年5月11日 13時
