romance。。。15 ページ16
貴「1…2…」
古い公園のブランコに意味も無く腰掛けて
意味も無く落ち葉の数を数えてみた。
ぼんやりと考えるのは自分のこと。
そして
幸村精市のこと。
貴「7…8枚。」
落ちていた落ち葉の数を数えきる。
まだ初夏。
青々とした葉はほとんど落ちていない。
(別にさ、自己嫌悪とかじゃないんだよね)
誰かに弁解でもするかのように心の中で呟く。
貴「…自分が嫌いとかじゃないし。」
今度は口に出して呟く。
そう、自分が嫌いなんじゃない。
ただ…少し自信が無いだけ。
自分の隣に凄いヤツがいたら、ちょっと自信がなくなる。
自分の友達が、腐れ縁の幼馴染を褒めると、
ちょっと、ほんのちょっと自信がなくなるんだ。
昔から。
貴「隣の芝生は青く見える、か。」←デジャヴ
関わりたくない、なんて口では言ってるけど
本当は比べられるのが怖いだけ。
ずっと比べられてきたから
よけい怖い。
比べられるたびに自分に言い聞かせて来た。
『私は私』
『幸村精市は関係無い』
誰かに幸村精市のことについて聞かれるたびに答えて来た。
『私にとって1+1より当たり前の事教えてあげる』
『それは、幸村精市に関わらない事』
いつの間にか、
周囲には私と幸村精市は犬猿の仲だと認識されていった。
だから私も
幸村精市と仲が悪くなるよう意識して来た。
貴「もともと仲良かったわけでも無いし。」
ただ___
ずっと頭の隅に引っかかる
幸村精市の、作り笑い。
傍から見れば儚げな憂いの表情。
私から見れば___
__どこか面倒そうで、億劫そうな表情。__
貴「…ま、関係無いけどさ。」
これからも仲の悪い私達。
それが普段通りの日常。
錆びついたブランコを2,3回軽く漕いだ。
キィ__キィッ__!
悲鳴を上げるように軋むブランコから飛び降り、公園を後にした。
(あー…今日の夕飯何かな…)
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ITUKI(プロフ) - 柏餅さん» そんな風に言っていただけると嬉しいです!コメ感謝です!! (2015年7月29日 16時) (レス) id: b3b18adf2c (このIDを非表示/違反報告)
ITUKI(プロフ) - あかねさん» 有り難うございます!少しでも楽しんでいただければ幸いです(∩´∀`)∩ (2015年7月29日 16時) (レス) id: b3b18adf2c (このIDを非表示/違反報告)
柏餅 - 面白かったです。 話の流れが凄く綺麗で引き込まれました! (2015年7月28日 23時) (レス) id: 28e25d8064 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 完結おめでとうございます! (2015年7月26日 20時) (レス) id: 6b05fd4079 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - ITUKIさん» そうですね! (2015年7月21日 16時) (レス) id: a892e65150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ITUKI | 作成日時:2015年4月24日 18時