【gr】総統閣下の有能秘書【君に恋する】 (ページ7)

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7話ページ7

A side

ut「どうぞ～汚くてごめんな～好きなとこ座ってええで～」

鬱様の部屋に入ると甘い香水の匂いとタバコの匂いがした。

部屋は別に特段汚いわけではなく、実に生活感の溢れる過ごしやすそうな部屋だった。

ちなみに私はタバコは吸わないが匂いは好きだ。

そんなことを考えながらソファに座る。

『先ほどはすみませんでした』

私は改めて謝る。

すると鬱様は微笑んで、

ut「ええよ～気にせんといて？」

と言ってくださった。

すると彼がタバコ吸ってええ？と聞いてきた為頷く。

彼のこういうさらっと相手を気遣うような言動が女性にモテるのだろう。

彼は私の返答を聞き、タバコに火をつける。

『鬱様。私をここへ呼んだ、ということは何か御用があったのでしょうか？』

私がそう思って聞くと彼はせやったわ、と呟き、彼の執務机の椅子を引っ張ってきて私の近くまでやってくる。

ut「Aちゃんを呼んだ理由はな...スパイの洗い出しの件についてや」

彼はそう言うと、仕事になるんやけどね、と言った。

『スパイの洗い出し、ですか？』

私は予想していなかった話題に思わず彼の言葉を復唱してしまう。

すると彼はせや、と頷き話し始める。

ut「明日から数人メイドが城にくることになっとるんやけどな、な～んか怪しい奴がおんねんな。Aちゃんにはそれを確実にするのを手伝ってもらいたいんや」

私は彼の言葉を聞き、気を引き締めた。

私もスパイがやってくる可能性があることを知っていた。

なぜなら今日書記長室にあった資料の中にそのことについて書かれているものがあったからだ。

『スパイの件は存じております。ですが私にその手伝いができますでしょうか？』

私はそう言い彼の顔を見る。

この件は別に私じゃなくてもできる。また、私のような信用のおけない、幹部ではない者に手伝わせてしまっても良いのだろうか。

彼はそんな私の思考をまるで読み取ったかのように話し出す。

ut「あ、信用の問題なら大丈夫やで？だってAちゃんグルちゃんのお気n...ちゃうわ、秘書やろ？」

私は彼が言いかけた言葉は聞き取れなかったが、秘書だから手伝ってよし、という理由があることがわかった。

『わかりました。やります』

私はそう決めて彼の顔を、瞳を見る。

ut「よかったわ～じゃ、作戦なんやけど..」

すると彼は待ってました、というような顔をして作戦について話し出した。