【gr】総統閣下の有能秘書【君に恋する】 (ページ6)

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6話ページ6

A side

私は秘書の身でありながら幹部の方々と一緒に食事をさせていただいている。...否、させられている。

書記長補佐になったときだった。その頃から一緒に食べるように、と総統様から命令された。

総統様からの命令となれば私に抗う術はない。最初は幹部の方々に警戒されていたが、今では仲良く出来ていると...思う。

総統様が食べ終わり、食堂を後にし、私室に戻られれば私の仕事は終了だ。あとは別の兵士が夜の護衛を務める。

彼を私室に送り届け、護衛の兵士と交代する。

私は自室に戻ろうと歩き出した。

この城はとても広く、幹部ではない私は幹部の方々と同じ階に部屋が在れど、距離はかなりある。

しかし、もう少しで着くな、と思い気を抜いてしまったのがいけなかった。

角を曲がったときに向かいからきていた鬱様にぶつかってしまったのだ。

『！す、すみませんっ！』

ut「うおっ！ってAちゃんやん！大丈夫やよ～Aちゃんこそ大丈夫なん？」

彼は私の不注意でぶつかってしまったのを責めることを全くせず、逆に私のことを心配してくださった。

『はい。大丈夫です。ほんと、すみません』

私は慌てて頭を下げた。彼は幹部だ。何か無礼でもあればいまの役職を降ろされてしまうこともあるかもしれない。

まぁ、そんなことはないと思いたいが。

ut「そんなに謝らんくてええのに...あ、じゃあAちゃん。俺の部屋に来てくれへん？」

彼は私の肩を抑え、私が頭を下げるのを阻止し、私の目をしっかりと見てそう言った。

私は、彼が女遊びの激しいことを知っている為、少し不安だな、と思ったが私に断る術はなかった。

『...わかりました』

私は彼の後ろについていき、彼の部屋へと入った。