検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:9,418 hit

6話 ページ6

.



「...姉ちゃん、あの人彼氏?」


家に帰るなり、玄関に立ちはだかるように立っていた涼太が少し不機嫌そうな顔でそう私に問う。


『は?』


一体何のことを言っているのか分からず、反射でそう聞き返す。


「だから、あのバス停で毎日会う人。今日一緒に帰ってたじゃん」


しかも隣に座ってたし、とまるで見てたかのように語る涼太。


『...見てたの』


「うん。んで、彼氏なの?」


するとどうやら同じバスに乗っていたらしく、話を逸らそうにも、すぐに引き戻される。


『違うけど。なに?』


「んや?姉ちゃんの彼氏は俺が決めるから」


ふい、と体ごと顔を背けた涼太が素っ気なくそう言い、私はその言葉にカチンとくる。


『はーぁ?なんで涼太に彼氏の管理されなきゃいけないわけー?』


「だって姉ちゃん変な男拾ってきそうだし」


『んぐ...だ、大丈夫だし』


涼太に速攻で言い返され、決定的な事は何も言えずにいれば。


「なにが?あの人がってこと?」


涼太が急にこちらを向き、その真剣な目と視線が合う。


『そうだけど...?』


「ふーん。そう言うって事は、好きなんだ、あの人のこと」


そんな涼太は、私の言葉に、面白いものを見たようにすぅ、と目を細め、笑う。


『はぁ!?そんなこと...ない、し...』


「ま、ゆっくり考えたら?恋愛漫画たくさん持ってるし、わかるでしょ」


『むー...わかったー...』


はーおもしろ、とクツクツと笑いながら涼太はリビングへ向かったが、私は暫く玄関で燻ったままだった。



.

7話→←5話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 学パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

イオ(プロフ) - ウルフ・レトさん» ウルフ・レトさんコメントありがとうございます!そういっていただけて嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございました! (2021年11月29日 17時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフ・レト(プロフ) - 完結おめでとうございます!ふと、目に入って読んでいたら気づけば、あとがきまでいってました。文書の書き方といい、全てに惚れました。そしてkn さんがカッコよすぎです…! (2021年11月29日 16時) (レス) id: 284db47999 (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - チャコさん» チャコさんコメントありがとうございます!続き待っていてくださいね! (2021年11月26日 6時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
チャコ - この物語のknさん好きです!続きが楽しみ! (2021年11月26日 6時) (レス) @page7 id: db343170a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イオ | 作成日時:2021年11月23日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。