32話 ページ33
五条 side
今日はAの初任務。
呪具のヴァイオリンが傷付くのを嫌がってこれまで完全に拒否していたけれど、流石にそれは良くない、と駄々をこねるAを無理やり連れてきた次第だ。
そんなAを見送った僕だが、みるみる減っていく呪霊に、事前調査では報告のなかった呪霊がいることに気が付いた。
報告後にでも生まれたのだろうか、とすっかり変わった上層部への疑いはなく、内心は終始穏やかだった。
そんな時。
「......君さ、車の中で隠れててよ」
報告のない呪霊が祓われたかと思えば、急にAの呪力が膨れ上がり、僕は補助監督を車へ押しやると、廃ビルの屋上へと飛んだ。
「随分とお怒りのようだけど、どーしたの?」
地面に膝をついて楽器を見下ろすAに、僕はそう話しかけた。
『五条先生...私の相棒にさっきの奴が...!』
「あちゃー、傷付いちゃったか。まぁ、一旦落ち着こ。ね?」
すると勢いよく顔を上げたAだが、その表情は怒りに染まり、僅かばかりの理性で暴走するのを抑えているらしい。
元から感情の抑制が上手い子だとは思っていたけどこれ程とはね。
呪力の暴走も抑え込んでいるみたいだし。
『...無理です。相棒は使ってやりたいけど、怪我はさせたくないです』
僕の言葉にギュッと拳を握って耐えるA。
「うーん...まぁそうだよね。代わりのものでもあればいいんだけど」
『代わり...?あぁ、そっか』
そんなAを見て僕がなんとなくで零した言葉が、目を疑う光景を僕に見せた。
え...?と驚きに声が漏れ、ただ、目の前にスルスルと集束する呪力を見つめる。
『...出来た』
そう言ったAの手にあるのは、彼女の持つヴァイオリンそっくりの、呪力の塊だった。
代わりってそういう意味じゃなかったんだけどなぁ...(汗)
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イオ(プロフ) - トキさん» 私が元ネタ作品の大ファンなので、知ってる人と出会えて嬉しいです...!ちなみに呪力菓子は魔石と似たような感じですねwちょこちょこ入れていこうと思ってるので見つけてはニヤニヤしててくださいねw (2022年1月10日 0時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - イオさん» ちょうどハマってたので、、、圧縮も保護者同じことしてて草って思ってました (2022年1月10日 0時) (レス) id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - トキさん» トキさんコメントありがとうございます!もしや呪力を吸収する云々のシーンですね?元ネタよく分かりましたねw (2022年1月5日 22時) (レス) @page38 id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - 読んでたんだけどまって、まって、冬の訪れを早めんのはヤバいってぇ (2022年1月2日 22時) (レス) @page38 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメントありがとうございます!オチですが、まだ私の中でも決まっていなかったので、五条先生オチにしますね!ありがとうございます! (2021年11月26日 6時) (レス) id: d37811f059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イオ | 作成日時:2021年10月23日 17時