【d!】終末世界 (ページ13)

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クリスタルの情報が伝わっていないのか、官僚さん達はまるで遠足にきたかのような雰囲気でゾロゾロと歩いており、だんだんと近づいてきているヘスリヒに気が付いていないようだった。

「助けに行かないんっすか？」

突然聞こえてきたナタリーさんの声にびっくりしたぁ...と心臓を抑えていればくられ先生も確かにね、言って答えを求めてくる。

『...逆に、なんで助けに行くんですか？』

私は深呼吸をして一旦落ち着き、そう言った。私の回答は予想外だったらしく、暫く返答がなく、沈黙が続く。すると急に2人の笑い声が聞こえてきた。

ナタリーさん曰く、いい性格してるっすね、だそうです。こんな性格で褒められたなんて初めてだ。そう考えていればくられ先生も同意し、じゃあそのまま官僚くん達を見てて、と言われた。

その言葉に視線を向ければ、すぐ近くまで迫ってきていたヘスリヒが官僚くんの人に飛びついた。捕まった官僚くんは叫び、どうやらヘスリヒに噛まれたらしく、噛まれたところからだんだん肌の色が変色していく。

この前起こった青年の時とは違う様子に首をひねりつつもそのまま眺める。官僚くんは肌の色が変わったかと思えば、突然ボコッと体が変形し、膨らみ始めたのだ。

他の官僚くん達はそれを見て一目散に逃げ出したが、一部数名がコケてヘスリヒに捕まっていた。転んだ数名も先に捕まった官僚くんと同じようにヘスリヒ化し、残っている官僚くんに襲いかかっている。

私はその時点で見ていることに面白みを感じなくなり、くられ先生にアイツら殺してもいいですか、と聞く。するといいよ～とあっさり返事が返ってきた。

私は最初の頃より格段に上がった運動神経と反射神経を使い、ヘスリヒの集団へと突っ込む。

くられ先生に渡された拳銃を二丁持ち、所謂二丁拳銃で的確にヘッドショットを決めていく。ヘスリヒは体に損傷を与えるだけでは再起不能にはなってくれない。燃やして灰にするか、クリーンエリアへと連れて行き、浄化するかの二択なのだ。

しかしいくら死んでいるからといって、損傷を与えれば暫くは動かなくなる。だいたい1日立つと復活するのだ。そして今は生憎近くにクリスタルは目視できないため、取り敢えず倒し、後でまとめて燃やすことを選択する。