一目惚れ【 2 】 (ページ18)

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────目覚めれば、もう見慣れてしまった保健室の天井。

倒れる前の状況を思い出してため息をつく。

「やっちゃった…」

また女の子たちに心配をかけることになるし、轟くんにもそれは同じだろう。

私はまだふらふらする体を起き上がらせると、リカバリーガールに声をかけて帰ることにした。

このままだと轟くんに会ってしまいそうだし、心配をかけてはいけないと思ったから。

だけど保健室を出ると、そこには思いもしない人物が立っていた。

「…よぉ」

「ば、くごう…くん」

気まずさもあり視線を逸らすと、がつがつと大股で歩み寄って来る。

「ど、どうしたのっ…！？ばくご…きゃっ！」

私を待っていたらしい爆豪くんは、私を壁に追い詰めると横に手をつく。

何が何だかわからない上に顔が近くて俯く私に、優しい声音で言った。

「なんで倒れてんだよ」

「ご、ごめんなさ「聞いてんのは謝罪じゃねぇ」っ…は、な、れてくださいっ…」

言葉を遮られて肩を強ばらせながら言うと、もっと距離を近くされてしまう。

「言わなきゃ離れねぇ。倒れるまで何悩んでた」

言葉を詰まらせていると、彼はさらに言う。

「USJん時の話は聞いてんだよ。隠すな」

「…っ、轟くんのことが、何で怖くなったのか…」

「…あ？」

諦めて全部話すと、爆豪くんはふっと笑って言った。

「…考えすぎだ馬鹿かてめぇ。」

「えっ…」

「…強引なやり方なら解決策はあんだよ」

「強引な、やり方…？」

「お前は怖いっていうよりも知らねぇだけだ。」

「し、らない…」

「やんのかやんねぇのか早く答えろグズ女」

その時誰かの足音が聞こえて焦り、反射的に答えてしまった。

「や、やる！」

ぼそっと爆豪くんが言った言葉は聞こえなくて。

「…好きだ」

不意に顔を近づけられた。

「っ！」

唇が触れそうなところまできて、怖くてぎゅっと目を瞑る。

「な…」

聞こえたのは、轟くんの声だった。

轟くんの角度から見れば、キスしたように見えたのかもしれない。

次の瞬間低い声が聞こえたと思ったら、腕を強く引かれていた。

「────ふざけてんじゃねぇぞ」

轟くん…！？と驚きながら引っ張られていく私に爆豪くんは悲しそうに笑っていた。

「はっ…めんどくせぇ」