未定【一之瀬一哉】 (ページ1)

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まだ私が10歳にもならないくらいの頃＿＿＿＿＿＿＿＿

アメリカで長い間入院生活をしていた私は、友達も話し相手も面会に来てくれる親もおらず孤独な日々を過ごしていた。

病室は2人部屋なので他の患者が来ることもあるが、怖くて話しかけられないまま退院していく。
友達や親がお見舞いに来たり、元気になって病室を去っていくのを見るのが辛かった。

そんなある日、隣のベッドにまた新しい人が来た。
彼の足と頭には包帯がぐるぐると巻かれ、頬には擦り傷があり、痛ましい姿だった。

少しすると医師が来て、隣の彼にこう告げた。

もうサッカーは出来ないでしょう………

隣の彼はただ呆然としていたが、先生が去ってしばらくすると声を殺すようにして泣いていた＿＿＿＿

その日の夜中、急に頭に激痛が走った。

耳が聞こえなくなり、視界が歪み、真っ暗になっていく。

だれか、、、たすけて、、、、、、、

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目が覚めると私は横になっており、点滴の管が身体に繋がっていた。

外が明るいから、恐らく昼間だろう。

「目が覚めたかい」

隣のベッドの彼が優しく声をかけてくれた。

意識を失う前にあんなに泣いていた彼が、今はこんなに優しい顔をしている。

隣の彼)体調は大丈夫？

10日も眠っていたから心配したよ

私)もう大丈夫です。ご迷惑かけてごめんなさい……

10日も眠っていたのかと思うと自分の身体の弱さが嫌になる。
普通の生活を送ることが出来たらどれだけ良かったか……

彼)迷惑なんかじゃないさ。無事でいてくれてよかったよ。

俺、一之瀬一哉。君は？

これが私と一之瀬くんとのはじまり＿＿＿＿＿＿＿