Really no

◎ In your house ページ4

.


ym.s




生徒が先生の家に居座るのって、どうかと思う。


見つかったら速攻俺らは離され、先生は職を失い俺は学校を失う。

それでも、俺は毎日先生の家に行く。




「やまだくん、来ちゃだめでしょ。」

「先生に会いたくて、」




休日に恋人に会いたいって思うのは普通でしょ？
先生は毎回俺が来る度に「もう来ないで」と俺を追い返す。
まあそんな俺は、意地でも来るんだけど。
先生は俺が来て迷惑？…… そりゃそうか、お互い危ないもんね、見つかっちゃったら。


でもさ、先生。
俺はこの際見つかってもいいんじゃないかな、って思うんだよね。
いやダメなんだけど、馬鹿だからそういう考えに陥っちゃう俺を許してよ、？




「雨、大丈夫だった、？」




コーヒーを差し出しながら俺に聞いてきた。
梅雨真っ只中の今、毎日のように降る雨は今日も健在だった。
今日はここ最近のなかで特に激しかったかも。



まあでもさ、




「先生に会えるなら雨なんてどうでもいいよ」

「……… それでも、風邪引いてないか心配なんだよ、俺は。」




俺の額にぴたっと少し冷たい手を当てて、俺の体温を確かめる。
熱はないっぽいけど、今日は朝から喉がちょっとだけイガイガするんだよね。
でも、それだけだから十分俺は元気。




「ん〜、大丈夫そうだけど、一応風呂入っとく？」

「先生大袈裟すぎ、」




先生のとてつもない心配性に、笑っちゃいけないんだけど笑っちゃった。


かわいいね、せんせい。俺の事心配してくれる先生、すっげぇ好き。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す