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貴方と過ごした日々【ハイキュー!!】〈宮治〉 ページ8

静岡の田舎から引っ越してきた私に、貴方が声を掛けてくれたのは、2年の春でした。

「美味そうやなぁ、」
『え?』

あの時貴方は、私が友達に配っていたカップケーキに涎を垂らしていましたね。

『ひとつ食べますか?』
「ええのん!?ありがとうなぁ」

いただきまーす、と口いっぱいに詰め込んで、キラキラと輝かせていた瞳を更に輝かせた。

「美味い!これめっちゃ美味いなぁ、森さん!」
『あ、ありがとう。宮くん私の名前知ってたんだね。』

んー、と言いながら余韻を味わう宮くん。フルネームは宮治君だ。ここ稲荷崎高校の有名人。宮兄弟(双子)の片割れだ。

「そら知っとるよ。有名やもん。」
『え、』

私有名人なの。なんでそんなに知られてるの。

「高校入る時に兵庫以外から来ることはあっても、2年になってからの転校生って珍しいと思うよ。」
『確かに、高校生だったら一人暮らしとかできるもんなぁ。』

宮くんの後ろからひょっこりスマホを片手に出てきた角名くんの返答にそっかぁ、と頷く。

『あ、角名くんもカップケーキ食べる?』
「ありがとう。」

スマホ片手に器用にカップケーキを一口口に入れた角名君はうま、と一言零した。



それから少しだけ話すようになりました。私は家庭部だったので、あまり接点もなく、本当にたまに、挨拶をしたり、課題の提出とかなんとかで話したりするようになりましたね。

『現代文のノートを昼休みに持っていくので、教卓に出しておいてくださーい』
「はーい」

皆の気だるげな声が返ってくる。何も返ってこないよりかは幾分かマシだと思う。黒板の左端に一応チョークで書いておく。

「森さん、あのぉ…」

バツの悪そうな声が背後から聞こえてくる。

『宮くん、どうしたの?』
「あんなぁ、現代文のノートツムに貸してからまだ返ってきてなくてなぁ。もしかしたら、今日出せんかもしれんくて。」
『あれ、今日2限目現代文だったよね?』
「ルーズリーフもろたからそれは乗り切ったんやけど、まさか今日集めるとは知らんくて。」

んー、確かに今日の今日で集めるって先生鬼畜ーって思ったけど、宮くん持ってないか〜。

『じゃあ、手を洗うついでに侑君に訊いてくるね。』
「俺も行くわ、すまんなぁ。」
『しょんないよ、今日の今日じゃ何人かだせないっしょ〜。』

宮くんのしょんぼりしてる姿が大きいのに小さく見えて、可愛く見えて気が抜けてきたのは5月中旬の中間テスト前。

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作者名:DNA | 作成日時:2020年7月22日 23時

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