思いついた場面だけ書きためる【雑多】 (ページ23)

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忘れていたこと【ハリポタ】〈ドラコ・マルフォイ〉ページ23

｢美味しかったですね～。｣
ごちそうさまでした、とスプーンを静かに置く彼女にええ、とても美味しかったですね。と答える。
オムライスが来る間に彼女の名前を聞くと、〈ペリドット〉とだけ教えてくれた。ファミリーネームかと聞けばそんなところですね、と伏し目がちに答えた。
やっぱり僕にはそんな知り合いはいなかったように思う。ペリドット…。魔法界の有名な一族の名では無いし、僕の知り合いにマグルはほとんど居ない。数えられる程度だと思う。では、本当に彼女はどこのどなただと言うのだろう。

｢失礼とは存じますが、貴方とはどこでお会いしたのでしょうか。｣
｢っ………そう、ですよね。…いえ、あの、ほとんど初めましてと言っていいと思います。｣
彼女の綺麗な瞳は今にも泣きそうな声を振り絞る声帯と呼応するように揺れている。
"ほとんど初めまして"とはどういうことだろうか、道でぶつかったりした程度ならほとんど初めまして、になるだろうか？というかそれなら相手も覚えていなくないか。わからない。僕は彼女のことを1ミクロンも思い出せないが、彼女は僕のことをよく知っていると言った表情を出会った時からずっとしている。奇妙な感覚だ。

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