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貴方と過ごした日々【ハイキュー!!】〈宮治〉 ページ11

そういえば、貴方はいつでも皆の視線の先にいて、話題の中心に居ましたね。

『あ、治くんたち今日外でご飯食べてるんだ』

ご飯は食べ終わったのか、グラウンドを銀髪と金髪が追いかけっこをしていた。遠くから見ても広いなぁ、と思う背中が、空に浮かぶ夏の雲よりもずっとずっと自由で、いつの間にか私は貴方のことを目で追っていました。



「学級委員〜、席替えやっといて〜。そんで座席表書いて俺にちょーだい。」

担任の先生の気だるげな声が朝のSHRで響き渡ると、クラスメイトは声を上げて喜んでいた。4月からやるのを忘れていた、という担任の声はみんなの耳には入っていないようだ。後ろの席がいいなぁ、とぼんやり思いながら順番に並びくじを引く。

『5番か。どこかな。』

私はどうやら希望の後ろ側の席、しかも窓側を手に入れた。ようやく仲良くなれた周りの人と離れるのは寂しいが、新たにクラスメイトと仲良くなれるかも、と思うと、楽しみになった。皆、もう席を変え始めて、今日は1日手書きの座席表で行くみたいだった。

「あ、森さんもしかして5番?」
『そうだよ、もしかして角名くん6番?』
「そうそう、よろしくね〜」
「あれ、森さんに角名、もしかして5.6番自分ら?」
『治くん11番?』
「せやで〜、森さん隣よろしくなぁ」

既に仲が良い人と席が近いのはほっとする。暫くはこの席で行くのだろう。楽しみです。

治くんはよく授業で寝ていましたね。窓から入る爽やかな風がとても気持ちよくて、私も午後の授業はよく眠くなりました。現代文の授業で、教科書を隣の人と読み合うワークや、考えを共有するワークではスヤスヤと寝る治くんを私はよく起こしていました。たまたま目に入ったノートの四角い文字が私にはとても輝いて見えて、とても愛おしく感じたのを覚えています。

その頃の私はまだ色恋沙汰には疎かったので、それがどういう感情なのかわかりませんでした。



高校2年生、1番楽しい時期かもしれません。中弛みの時期とは言われますが、やっぱり1番楽しい時間だったと思います。

「じゃあこの時の李徴子の気持ちを考えて隣の人と共有してー。始めー」

『…治くん、起きて。』
「んん、えびふらい、まて…にげん、なぁ…」

今日はエビフライか。昨日はハンバーグだったなぁ。

「森さん、治のこと叩き起して大丈夫だよ。」
『えー、さすがにダメだよ』

笑って返したけど、起きてくれないと先生にも怒られちゃうし、私のワークも終わらない。困ったなぁ。

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作者名:DNA | 作成日時:2020年7月22日 23時

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