証言します。【狗巻棘】

証言者 : 伏黒恵 ページ4

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「じゃあ次俺で」

「えっ、めぐみんまで！？」







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「めぐみん」

「……Aさん、その呼び方やめてくれませんか」

「……嫌？」

「嫌っていうか……」









単純に、恥ずかしい。

虎杖や釘崎ならまだしも、俺はあだ名で呼ばれるようなキャラじゃないはずだ。

なのに俺だけあだ名。理解できない。









「かわいいからさ、めぐみん」

「かわ…？」

「うん、やっぱりなんかかわいいんだよね」









そう言って満足そうに笑っているが、Aさんに言われたくないと心底思う。

いつもニコニコと人懐っこくて、癒やされる。

纏う雰囲気は、どことなく虎杖と同じ感じがする。






恋愛感情とかではない。

そうこれは＿＿＿＿動物とかに抱く感情に似ている。







癒やされるって、こういうことを言うんだろうな、と思う。

近くにいると、落ち着く。









「あ、狗巻先輩」

「しゃけ」

「棘くん」









手を小さく振りながら来た狗巻先輩は、A先輩の隣を歩く。









「めぐみんってさ、なんか可愛いと思わない？」

「しゃけしゃけ」

「だよね、」

「だからめぐみんじゃなくて……、」

「すじこ、こんぶ」

「え、棘くんの？」









どうやら狗巻先輩は、Aさんにあだ名を決めてほしいらしい。

もしかしたら、少し妬いてるのかもしれない。









「んー、なんだろ」









うーん、と手を顎に置いて考える。









「とげぴー？」

「おかか」

「痛っ」









小さく呟いたAさんに、優しくチョップする狗巻先輩。

どうやらお気に召さなかったらしい。

酷いなぁ、なんて笑うAさんに向けられた狗巻先輩の瞳があまりにも優しくて、思わず固まった。








(＿＿＿＿＿ベタ惚れだな、)









あんなに愛おしそうに細められる瞳は、これまでに見たことがない。

かわいくて、まっすぐで、優しくて。






似ている二人が一緒にいることに、なんだか胸が温かくなった。









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