証言者 : 虎杖悠仁 ページ2
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「じゃー俺から!」
「ちょっと待って、」
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「虎杖くんって、手大きいよね」
「……そっすか?」
「うん、ほら、」
特訓の休憩中、たまたま隣に座っていると突然話しかけられた。
ん、と手を出すのはA先輩。
合わせてみろってことだろうけど、この人ホントこういうとこある。
無意識な人たらし。一番悪質だ。
きょとん、とした目で見つめられると、なんだか断るのも申し訳なくて。
ただなぁ〜、棘先輩がな〜。
めっっっちゃ見てるんだよ。
厳しい目で。
「んーっと、A先輩」
「ん?」
「だめっすよ、あんまりそういうことしちゃ」
「……え?」
「だから…、」
少し先にいる棘先輩の方をちょん、と指差すと、彼女は素直にそちらを向いて。
「…あ、棘くん!」
「…、」
「来て来て、虎杖くんの手って大きいと思わない?」
「……しゃけ、」
「ね!」
いつもより低い声で不機嫌そうに返答する棘先輩。
いやめっちゃ拗ねてるじゃん。
「……棘くん?」
「……、」
「どうしたの、体調悪い?」
隣のA先輩が、眉を下げて心配そうに棘先輩の顔を覗き込む。
その距離が思ったよりも近くて、俺は咄嗟に目を逸らした。
「……おかか、」
棘先輩も驚いたように目を開くと、僅かに耳が紅く染まった。
(恐るべし、天然人たらし……)
「顔赤いよ、大丈夫っ、!」
おでこに手を当てようとしたその瞬間、棘先輩はその手を掴んで彼女を抱き寄せる。
A先輩は驚いたようで、されるがままに抱きしめられていた。
(こりゃ棘先輩も、苦労するわ)
俺は小さく親指を立てると、そおっとその場を立ち去った。
棘先輩も小さく親指を立てている。
(かわいいな、あのカップル)
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鹿毛(プロフ) - 高専みたいな少人数で先輩後輩(+一部の先生)の距離が近い学校だと、棘君もにやにやされながら見守られてるんだろうなあ、と私も画面の向こうでにやにやしておりました 笑 もし番外編を書いていただけるなら、二年生担任の日下部篤也先生の証言も読んでみたいです! (2021年3月3日 16時) (レス) id: 67d713f823 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 製作者自身で削除したのか報告によるものかは分かりませんが、今後もしこのようなことがあった場合には、トラブルを回避するためにも報告をして頂くのが最善かと思われます。教えていただき、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました…! (2021年2月12日 12時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - あややさん» この度はご親切に報告していただき、本当にありがとうございます!あややさんが教えて下さらなかったら気付かなかったと思いますので、とても助かりました…!確認しました所、既に削除されていたものの、形跡があり完全に私の小説をコピーしたものでした。。 (2021年2月12日 12時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
あやや(プロフ) - 初コメ失礼します!唐突で申し訳ないのですが、プリ小説というアプリで作者様のパクリらしき作品を見つけてしまい。。。題名は『証言しますよ?先輩』というのですが、プロローグがほぼというか全く一緒で、、、これって報告した方良いのでしょうか? (2021年2月11日 21時) (レス) id: 6957d2b079 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - ぱーむくーへんさん» わー!ありがとうございますー!ぱーむくーへんさんのコメントににやけが止まらないです笑 純粋にめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2021年1月8日 20時