14color[過去編] ページ16
◆
「…A?」
“女の子なのに可哀想”
「大丈夫だよ」
そう言って、口にハンカチが当てられる。
フワッと香る匂いですぐに五条さんのだとわかった。
お礼は言えなかったが、その代わり自分の手でそのハンカチをギュッと押し当てる。すると、脇下を掴まれて体が宙に浮いた。
『ぁっ…』
急に光が差し込む感じがして驚く。それと同時に、太陽に照らされた彼の顔がはっきりと見える。
『(………やっぱり、綺麗だ)』
サングラスの隙間から見える彼の瞳が、やっぱり好きだ。
『…みずいろ』
「うん、水色だよ」
「もっとよく見る?」と顔を近づけさせてきて思わず顔が赤くなる。
ハンカチで口元を押さえていたのに、ちゃんと私の言葉が届いていたことにまた驚いた。
「僕は、Aの呪印好きだな」
『!』
やっぱり、五条さんにはバレてたんだね。
「これも君の一部だ」
すごく優しい言葉。
「君が、狗巻Aであるために」
肯定してくれたその言葉に、私はポタポタと涙が出てくる。
「それに可愛いしね」
どこが、全然可愛くないじゃん。
五条さんはおかしいんだ、瞳が綺麗すぎて目に映るもの全てがきっと綺麗に見えるんだ。
『ぅ…ぁ、っ』
でも、それでも、嬉しかった。
この時、まるで大切なものを壊さないようにそっと抱きしめられて。
その優しさに触れた瞬間、自分の気持ちに名前をつけたと思う。
◆
15color -side 五条-→←13color[過去編]
1658人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水原カノ(プロフ) - セラさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡ (8月17日 20時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
セラ - とても、面白いです! (8月17日 8時) (レス) @page7 id: 26f04b139a (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます!♡イメージ画…!考えたこともなかったです!検討してみます(*'▽'*)ありがとうございます! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - いつから俺を、人間と錯覚していた、、?さん» コメントありがとうございます(*´꒳`*)お返事が遅くなってしまいすみません!探し求めていたものがあってよかったです〜!引き続きお楽しみください!! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - ナナ宮さん» コメントありがとうございます!(о´∀`о)返事がかなり遅くてすみません…。お兄ちゃん設定たまらんですよね!楽しんでくださり何よりです! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:水原カノ | 作成日時:2021年9月3日 16時