狗巻棘の双子の妹【呪術廻戦】

9color［過去編］ ページ11

◆



「へー、これが狗巻双子ね」


「『おかか』」


「おかか？」



五条先生に初めて会ったのは何年も前。

確か五条先生が高専三年生で私とお兄ちゃんが6、7歳の時。御三家の集会みたいなのがあって、お兄ちゃんとお庭で遊んでいたら突然そう声をかけられたのが最初の会話。

当時はまだお兄ちゃんと一緒の語彙を使っていた。



「一卵性だっけ。確かにそっくりだね、髪色も目の色も」


「高菜、すじこ、明太子」


『おかか』



私たちは凶兆である“双子”。周りから遠ざけられることも蔑まされることも嫌味を言われることも少なくなかった。

「なんだお前」というように、突然目の前に現れた大きな男を指差しながら私を守るように前に出てくれるお兄ちゃん。

私も怖くて否定を意味する「おかか」を連呼していた。

けど、白髪のサングラスをかけた男の人は怯むことなく私たちを目を合わせるために屈んできて「何かされる」と瞬時に思いお兄ちゃんの手を咄嗟にギュッと握る。

すると、大きな手で頭を撫でられた。



「…ツナマヨ」



お兄ちゃんは「なんだよ」という目で男の人をじっと見る。でも私は、驚いた。

私は、その“驚いたもの”を指差しながらこう言った。



『みずいろ！』


「！」



それは、彼の瞳だった。



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