7color ページ9
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『!』
チョコレートはすぐに食べ終わり、それから数十分が経った頃。何か凄まじいものを感じて辺りを見回す。
先生もどうやらその気配に気がついたようだった。ニヤッとしながら手を顔の前に置いて「凄まじいね」と私が思っていたことと同じことを言う。
「これが特級過呪怨霊、折本里香の全容か」
『(特級…?)』
確かにこれまで感じたことのないパワーは感じる。
「女は怖いねぇ」
『(…そっか)』
あの怨霊…。
里香ちゃんは乙骨くんのことが大好きだから憑いてしまったもの。女の子の愛というのはどこまでも続くものだ。
『みずいろ』
「そうだね、そろそろ帰ってくる頃だよ」
バシュッと帳が上がる音がする。
すると目の前から小さな子供2人を抱え、真希ちゃんを背負う乙骨くんが現れた。
「おかえり」
『むらさき…!』
私はすぐに乙骨くんの元へと駆け寄るがその前にパタリと倒れてしまった。
『む、むらさき…っ』
「大丈夫。気絶しただけだよ」
そう言って五条先生はテキパキと倒れている2人を車に押し込んで病院へ向かった。
.
「問題ないってさ。真希も子供も」
「よかった…」
「何かスッキリしない顔だね」
乙骨くんは無事に目を覚まし、廊下の椅子に座る彼を横に立ちながら見守る私たち。
「…初めて、自分から里香ちゃんを呼びました」
「そっか。一歩前進だね」
「少し思い出したんです…。里香ちゃんが僕に呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません」
先ほどとは違う推測が飛び交い「愛って凄いな」と普通に感心してしまう。
乙骨くんは左手の薬指に嵌め込まれた指輪を眺めていた。
「これは持論だけどね、愛ほど歪んだ呪いはないよ」
乙骨くんも私も、その言葉にハッとさせられた。
真剣な声色と真剣な面持ちで五条先生はそう言った後、少し困ったように私に笑いかける。
『(歪んだ呪い…)』
どう、受け取ればいいんだろう。
少し間が置かれた後「先生」と強い口調で五条先生に話しかける乙骨くん。
「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」
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水原カノ(プロフ) - セラさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡ (8月17日 20時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
セラ - とても、面白いです! (8月17日 8時) (レス) @page7 id: 26f04b139a (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます!♡イメージ画…!考えたこともなかったです!検討してみます(*'▽'*)ありがとうございます! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - いつから俺を、人間と錯覚していた、、?さん» コメントありがとうございます(*´꒳`*)お返事が遅くなってしまいすみません!探し求めていたものがあってよかったです〜!引き続きお楽しみください!! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - ナナ宮さん» コメントありがとうございます!(о´∀`о)返事がかなり遅くてすみません…。お兄ちゃん設定たまらんですよね!楽しんでくださり何よりです! (2022年11月1日 17時) (レス) id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年9月3日 16時