Embodying War 【本編】 (ページ17)

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第１６話　研修指導？２日目【兎野　翔】③ ページ17

「どうぞ、お詫びです。」

そう言って兎野が自販機から取り出した缶コーヒーを手渡すと、蛇永はぎこちない動きでそれを受け取る。

「ぁえ、ありがとうございます」

「いえ、元々忘れてた上に此方の手違いで殴っちゃったので蛇永さんに感謝される覚えはないですよ。」

そう言って淡々と自分の分のコーヒーも取り、後ろにあったベンチに座ると蛇永にも座るよう手で促し、座らせる。

「まぁ、そもそも研修、なんて言ってもここで教えることなんて普段の雑用仕事と書類整理くらいなんで、そもそもあんまり無いんですけどね。

戦闘に関しては、らいさんがなんとかしやがるみたいですし。
まぁ今日書類の方を教えろとは言われたんでそれについてはとりあえず飲んでからやりましょう」

「あっはい。あの質問なんですけど。」

「？なんですか？」と、コーヒーを少し飲んだあと、聞いてきた蛇永の方に顔を向けてくる。
それを見た蛇永がわからないといったような顔で口を開く。

「えっと、らいさんって誰何ですか…？」

と蛇永がそう聞くと、あぁ、と一言呟いたあと答えてくれる。

「このANNIHILATIONの上司ってやつですね。
総取締役みたいなもんです。方針とか具体的に決める人ですよ

そういえば蛇永さんは急にこっち寄越されたんで、会ってないかもしれないですね。」

そういいながらコーヒーを飲む兎野の横顔を見ながら「なるほど、そうなんですね。」なんて言って蛇永も先ほどもらったコーヒーを開けて飲み始めようとしたときだった。

階段を登ってくるような音と共に見たことある金髪の髪の毛が揺れているのが目の前に見えると同時にその人物がこちらに気づいたようで近寄ってくる。

「何してるの？今研修やってんじゃなかったっけ？」

声の主を見やるとそこには昨日研修でお世話になった皇羅切鈩がいた。