54 ページ4
.
そのまま公園を飛び出してきたはいいものの
どこに向かえばいいかも分からず
とりあえず駅まで向かってみることにした
柾哉くん公園に置き去りにしちゃったな、とか
もう少しちゃんとお礼言いたかったな、とか
色々考えていたらいつの間にか駅に着いていて
『……どうしよ、』
あいりちゃんには申し訳ないけど
とりあえず京ちゃんに電話してみようかな
と思っていた時
「も〜、京介くんのバカ！」
聞き覚えのある声が
今一番会いたい人の名前を呼んでいて
『………、』
声がする方を見てみると
あいりちゃんと京ちゃんが仲良さそうに
電車から降りてくる姿が見えた
私が最後に2人を見た時よりかなり仲が良さそうで
心無しか距離も近く思えて
ものすごく、胸がざわついた
やっぱりもう遅すぎた？
京ちゃんもあいりちゃんのことが好きなの？
考えれば考えるほどにしんどくて
2人に気付かれないよう
この場から立ち去ろうと思っていたら
京「…A？」
私に気が付いた京ちゃん呼び止められて
振り向くしかなかった
『…久しぶり、』
あ「あ〜Aちゃんだ、今から帰るの？」
『うん…まあ』
2人はどこ行ってたの？もう帰るの？
聞きたいことなんていっぱいあるのに
目の前の2人を見たら何故か怖くて聞けなくて
『ごめん、私…帰るね』
京「え…待てよA」
あ「京介くん今日はありがとうね、わざわざ駅まで送ってくれて」
私を呼び止める京ちゃんの言葉を遮るように
あいりちゃんが京ちゃんへと話しかけた
京「いや…こっちこそありがとね、色々と」
あ「ううん、楽しかったから私も」
嫌でも耳に入ってくる2人の会話
聞きたくないのに何話してるかは気になって
あいりちゃんの楽しそうな笑い声が耳に響いて
あいりちゃんが“京介くん”と呼ぶ度に
私の胸はざわつく一方で
このままじゃ嫌
もう遅いかもしれないけど
京ちゃんがどっかに行っちゃうのなんて嫌
そう思ったら体が勝手に動いて
気付けばそのまま2人の方に歩いていって
いつの間にか京ちゃんの腕を掴んでいた
京「え…A？」
『……嫌』
あ「………」
自分でも身勝手すぎる行動だと思う
でもこのまま何もしないのは嫌
いきなりの私の行動に
京ちゃんは当たり前に驚いていて
京「………A？」
『……あ、の…ごめん、私…』
あ「………、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1007人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふふ - 続編楽しみにしてます！ (11月30日 2時) (
レス) id: 50497ba2dc (このIDを非表示/違反報告)
rmpgmkt0729(プロフ) - いつも見させていただいててキュンキュンさせてもらってます♡ 今後の展開が楽しみで毎日見返してます (6月15日 11時) (レス) id: e1490d9265 (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - 久々の更新嬉しいです！これからも楽しみです！♡ (6月7日 8時) (レス) id: 4f2a674662 (このIDを非表示/違反報告)
あいう(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！ほんとに作者様の書くお話めちゃくちゃ好きです（ ; ; ）♡ (2023年1月18日 22時) (レス) @page11 id: e27a4b5f22 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 一気に読ませていただきました！切なかったり、キュンキュンしたり、すごく感情移入して読んでしまいました。作者様の文才、素晴らしいです（ ; ; ） (2022年6月6日 23時) (レス) id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さぼてん | 作成日時：2022年5月2日 21時
