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『着いた〜』
京「やっぱ穴場だよな、ここ」
『でもなんか年々人増えてる気がするけどね』
お祭り会場から少し離れた高台
そこにはベンチがいくつか置いてあって
私達はいつもこの場所で花火を見ていた
屋台の場所からは少し歩くけど、帰路のちょうど通り道
高台なこともあって凄く綺麗に花火が見えるこの場所が
私は本当にだいすきで
京「とりあえず座るか」
『そだね、てか結局焼きそばとたこ焼きしか買わなかったね』
京「まあ十分だろ、Aはりんご飴あれば」
『子供か』
京「……ほんと、この間まで子供だったのにね」
まっすぐ私を見つめて
真剣な顔でよく分からないことを言ってくる京介
『な…に、？』
京「いつの間に、こんなに綺麗になったの」
『え…』
すごく優しい目で私のことを見つめながら微笑んで
頭の上に置かれた手に今にも心臓の音が伝わってしまいそう
京「あ…、ごめん俺すげぇ変なこと言ってた？今」
『え、あ…いや』
京「忘れて」
そう言うと同時に
頭の上から離れていってしまった手が恋しくて
『京介の、ため…じゃん』
京「え…」
『今日のこの浴衣は…京介の為、だよ』
京「……ほんと、無自覚こわ」
ありがとね、めちゃくちゃ嬉しい
てまた頭を優しく撫でてくれるから
やっぱりその手がどこにも行ってほしくなくて
『それ、すき』
京「…これ？」
『京介に撫でられるの、すき』
京「…犬なの？」
『…ちがうもん、』
京「よしよし」
『だから…ちが』
京「俺の彼女、だもんね？」
『……うん』
私の言葉を遮ると同時に
私の頭を撫でて顔を覗き込みながら言われたその言葉
ほんと、こんなのどこで覚えてきたんだか
京「花火あと30分くらい？」
『そうだね』
こうして花火を待っていると思い出す
京介とは幼なじみでいようって心に決めたあの頃
京介のことが好きだった中学生のあの頃
全然気持ちに整理がつかなくて
花火が終わったらきっぱり諦めるんだ、なんて
自分自身に言い聞かせてたあの頃
あの頃と同じ場所で
あの頃と同じく左隣には京介がいるけど
繋がれた右手があの頃とは違うことを証明してくれている
ひなたにも言われたけど
やっぱり京介には伝えた方がいいのかな
今更、過去の話にはなっちゃうけど
そう思ったら
勝手に口は動いていて
『京介あのさ、私…』
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ふふ - 続編楽しみにしてます！ (11月30日 2時) (
レス) id: 50497ba2dc (このIDを非表示/違反報告)
rmpgmkt0729(プロフ) - いつも見させていただいててキュンキュンさせてもらってます♡ 今後の展開が楽しみで毎日見返してます (6月15日 11時) (レス) id: e1490d9265 (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - 久々の更新嬉しいです！これからも楽しみです！♡ (6月7日 8時) (レス) id: 4f2a674662 (このIDを非表示/違反報告)
あいう(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！ほんとに作者様の書くお話めちゃくちゃ好きです（ ; ; ）♡ (2023年1月18日 22時) (レス) @page11 id: e27a4b5f22 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 一気に読ませていただきました！切なかったり、キュンキュンしたり、すごく感情移入して読んでしまいました。作者様の文才、素晴らしいです（ ; ; ） (2022年6月6日 23時) (レス) id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さぼてん | 作成日時：2022年5月2日 21時
