64 ページ14
.
そして迎えた花火大会当日
着付けはお母さんがやってくれて
私は無事に新しく買った浴衣に身を包んだ
私も京介くん待ってていいかしら？なんて言ってたけど
花火大会の手伝いがあるとかで残念そうに家を出た
そのあとヘアアレンジ動画を見ながら
慣れない手つきでヘアセットも終わらせて
いつもより少しだけ化粧にも気合いを入れてみたりして
『なんか、乙女だな私…』
そんなひとりごとを言いながら
京介が来るのを待っていた
ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
玄関のチャイムが聞こえて
落ち着かない心臓を抑えながら玄関のドアを開けると
そこには
京「よ、」
『…え、』
浴衣姿の京介がいて
まさか浴衣着てくるとは思ってなかった私は
その姿を見て玄関のドアを開けたまま硬直してしまった
京「A？」
『え、あ、ごめん…』
京介の浴衣姿はあまりにもかっこよくて
とっても似合っていて、思わず見とれてしまう
京「なに固まってんの、笑」
『京介、浴衣着てくると思わなくて…』
京「あーこれ？」
『うん…』
京「柾哉くんに花火大会の話したら絶対浴衣着て行きなよって言われてさ笑」
『…めちゃくちゃ似合って、る』
京「まじ？めっちゃ嬉しい、ありがとね」
『…うん、かっこいい』
私がそう言うとびっくりしたのか
一瞬だけ目を見開いて思考停止した後
その動揺を隠すかのように向きを変えて
京「…ほらもう行くぞ、」
こっちは向いてなくても
後ろから見た京介の耳が少し赤くなってて
可愛いな、なんて思ったり
『それ下駄？歩きづらくない？』
京「割と安定するよこれ」
『そうなんだ』
京「うん、Aは？足平気？」
『大丈夫、普通に歩きやす…っ』
いよ、と伝えようとしたその時
道端に落ちていた小石につまづいて
あ…これ転ぶやつだ…と脳が理解し始めたすぐ
京「あっぶな…」
それは京介に腕を掴まれ
抱きしめられる形で阻止されて
『あ…ごめ、』
京「まあ転ぶ気はしてたけどさ笑」
『なにそれひどい』
その発言にまたケラケラ笑うから
京介から離れようとしたその時
もう一度腕をグッと引かれたかと思えば
京「浴衣めちゃくちゃ可愛い、すげえ似合ってる」
『な…っ、』
京「それ俺の為でしょ？めちゃくちゃ嬉しい」
『………//』
耳元で言われたその言葉はあまりにも甘くて
もう花火なんてどうでもいい
そんなことさえ思えた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1007人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふふ - 続編楽しみにしてます！ (11月30日 2時) (
レス) id: 50497ba2dc (このIDを非表示/違反報告)
rmpgmkt0729(プロフ) - いつも見させていただいててキュンキュンさせてもらってます♡ 今後の展開が楽しみで毎日見返してます (6月15日 11時) (レス) id: e1490d9265 (このIDを非表示/違反報告)
みょん(プロフ) - 久々の更新嬉しいです！これからも楽しみです！♡ (6月7日 8時) (レス) id: 4f2a674662 (このIDを非表示/違反報告)
あいう(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！ほんとに作者様の書くお話めちゃくちゃ好きです（ ; ; ）♡ (2023年1月18日 22時) (レス) @page11 id: e27a4b5f22 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 一気に読ませていただきました！切なかったり、キュンキュンしたり、すごく感情移入して読んでしまいました。作者様の文才、素晴らしいです（ ; ; ） (2022年6月6日 23時) (レス) id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さぼてん | 作成日時：2022年5月2日 21時
