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ブブ ブブ ブブ ー
バイブレーションが鳴り始めてスマホの画面には " 殿 "と映る
ああ、!?やばい。どうしよう
... とりあえず一旦置こう。うん
よし、...出るよ。出るからね
指を画面に当てようとした瞬間
殿は消えて、いつものロック画面に切り替わり"着信あり"と表示された
あっ、切れた...?、、!
かけ直す?どうする?
かけ直した方がいいよね、ううぅ、
携帯を握りしめて葛藤していると、再び"殿"からの着信!
殿再来!!!!
慌ててスライドして電話に出る
「あ、出た」
「もしもし」
「今度は早いね」
と私の葛藤も知らず、本物よりもほんの少しだけ篭ったような、ノイズがかったような倫也さんの声が呑気に笑っている。
あんまり変わんないんだな、
倫也さんだ。
電話してる、今。
「おーい、聞こえてる?」
「ねえ?Aちゃん?」
そんな問いかけにも笑いをこらえながら黙っていると
"雨だから電波悪いのかな" と心配し始めるところまで完璧に可愛い。
本当に32歳なんだろうか、と疑問に思う
念押しの"もしもし"が聞こえたところで
ようやく緊張も解けて声を出す
『もしもし、?』
.
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〆
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作者名:inu | 作成日時:2019年5月21日 7時