101話 ページ3
陽奈が音駒の監督になれたのは猫又のおかげだった
卒業する前にここの監督になりたいと相談したのだ
「女バレの監督に?」
『はい。監督は教員免許はいらないし、何歳がやってもいいと聞きました。卒業したら、私は女バレを強くするために監督になりたいです』
マネージャーに頭を下げられた日を時々思い出す
あそこで私が戻ると言っていてもあの春高の景色はきっとなかった
女バレの監督がバレーに詳しくないし、周りも弱かったから
『あの監督じゃダメです。あの人がいても、彼女たちは勝てない』
陽奈の言葉に猫又は考えるように顎に手を当てた
「まぁ、最近、女バレの監督もバスケに戻りたいと言っているらしいしな」
『元々バスケなんですか?』
陽奈は驚いたように猫又を見た
「そうだ。けど、有能な監督が入って、奪われたんだよ。そのバスケの監督は定年で今年退職するから、来年戻りたいって訳だ」
猫又の言葉に陽奈はますますその職に就きたくなった
「お前は今の高校生たちとそう変わらない。卒業してもまだ18歳と同い年。舐められるぞ」
猫又はいつも閉じていた目を開いて陽奈を見すえた
猫のような目に陽奈の体は強ばる
「あの子たちより弱い相手だと判断されたら練習も回らなくなる。まずは、実力を見せつけろ」
猫又はにっこり笑った
「入学式前にまた来なさい。女バレの監督に勧めよう」
陽奈は頭を下げる
つまりそれまでに今よりもっと強くなれ、という意味だ
『ありがとうございます』
そして頭を上げたところで、ふと、陽奈は思いついて口を開いた
『あの…もしかして合同練習とかで自主練を監督させたのって、私に練習させるため?』
陽奈はセットアップもなまらずに済んだし、影山のトス練に付き合ったため、スパイクも中学の頃より威力が上がった
猫又は笑った
「そういう意図もあったかもな。どっちにせよ、日向はバレーに関わる仕事をすると思ったんだ」
猫又の言葉に陽奈は頭を深々と下げた
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かなぶん - めっちゃ好きです!どはまりの作品です!いいもの読ませていただきました!ありがとうございました! (2022年9月16日 7時) (レス) @page29 id: f7d43343b8 (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ - いい作品でした‼︎黒尾さんオチのお話が大好きです!ラストの短編集の「支配されてるのは」というところが良かったです。いい作品を作っていただきありがとうございました! (2022年5月3日 11時) (レス) @page25 id: 2b0f4e3316 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - どタイプの作品すぎて、最高です!!!そこまで恋愛感が無く、プレイヤーの視点からも読める最高に面白い作品です!久しぶりにワクワクドキドキしました!ありがとうございますー! (2021年11月21日 2時) (レス) @page24 id: 6af91a71bf (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最高すぎんだろぉ!!!!!😭😭😭😭😭😭😭😭 (2021年11月19日 21時) (レス) @page15 id: 397318e50c (このIDを非表示/違反報告)
おちゃきち(プロフ) - 3作目の執筆ありがとうございます…!今の夢主ちゃんが意外とデレデレで頬が緩みました!20歳になるまでの間、辛辣な夢主に翻弄される黒尾さんや性格が柔らかくなっていく夢主の姿を想像しつつ、これからもこの作品を応援しています! (2021年11月19日 17時) (レス) @page3 id: 78dc48b955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年11月19日 16時