110話 ページ12
あの最高の試合の後、部員たちには監督のお兄さん凄すぎません？！と興奮の質問攻めをくらった
だからあんなに言ってたでしょう
私の兄は凄い、と
陽奈はそりゃもう自慢げに長々と語ろうとしたが、それを察知した部員たちはとっとと片付けに戻って行った
『全くあいつら』
陽奈は素知らぬ顔で片付けを始める部員たちを拗ねたように睨みつけた
黒尾さんの話を聞かせる相手は少ない
よく研磨に聞いてもらっていたが、うんざりしたようにもうクロの件で電話してくんな、と言われてからは谷地に話すようにしてる
＊
あれから数ヶ月後、陽奈は谷地にも翔陽にも言えない悩みができた
黒尾さんが前より素っ気ない
仕事が忙しくて帰る時間も別々だから一緒には住んでいないが、時間が空いたらお互いの家には無人だろうと行くし、デートにだって誘う
なのに、それが減った確実に
最初は忙しいのだろうと気に止めなかったが、あの黒尾さんだぞ
飽きもせずに陽奈、陽奈と言ってくる人が
『はぁ…』
陽奈は体育館で明日の練習を見直しながらため息を吐いた
｢そんな大きいため息吐いたら幸せ逃げるよー｣
後ろからかけられた、からかうような声に陽奈は驚いて振り向く
ここにいるはずもない黒尾が体育館の扉の外に立っていた
『黒尾さん！なんでここに』
｢んー？仕事が早く終わったから彼女のお迎え、的な？｣
そう言って黒尾は車のキーを見せてきた
｢あ！それが監督が言ってる彼氏さんですか？｣
目ざといリベロの子が大きな声を出した
片付けが一通り終わっていたのか部員たちもなんだなんだと群がってくる
『はいはい、みんな練習終わったんだからちゃんと帰んなねー。鍵は主将頼んだよ』
｢これからデートですか！｣
｢ヒューヒュー！｣
｢思ったよりトサカ！｣
それぞれ好きなことを言い放ち、陽奈はそれを全て無視して黒尾を連れて校門へ向かった
｢懐かれてるね｣
『まぁ、ありがたいことに』
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かなぶん - めっちゃ好きです！どはまりの作品です！いいもの読ませていただきました！ありがとうございました！ (2022年9月16日 7時) (
レス) @page29 id: f7d43343b8 (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ - いい作品でした‼︎黒尾さんオチのお話が大好きです！ラストの短編集の「支配されてるのは」というところが良かったです。いい作品を作っていただきありがとうございました！ (2022年5月3日 11時) (レス) @page25 id: 2b0f4e3316 (このIDを非表示/違反報告)
はるまき(プロフ) - どタイプの作品すぎて、最高です！！！そこまで恋愛感が無く、プレイヤーの視点からも読める最高に面白い作品です！久しぶりにワクワクドキドキしました！ありがとうございますー！ (2021年11月21日 2時) (レス) @page24 id: 6af91a71bf (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最高すぎんだろぉ！！！！！😭😭😭😭😭😭😭😭 (2021年11月19日 21時) (レス) @page15 id: 397318e50c (このIDを非表示/違反報告)
おちゃきち(プロフ) - 3作目の執筆ありがとうございます…！今の夢主ちゃんが意外とデレデレで頬が緩みました！20歳になるまでの間、辛辣な夢主に翻弄される黒尾さんや性格が柔らかくなっていく夢主の姿を想像しつつ、これからもこの作品を応援しています！ (2021年11月19日 17時) (レス) @page3 id: 78dc48b955 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2021年11月19日 16時
