30話:仲直り? ページ31
陽奈は少し考え、口を開いた
『じゃあ、こんな感じですか?』
そして満面の笑みを浮かべた
それを見ていた音駒のメンバーはポカーンと口を開く
その顔は今まで見てきたどの陽奈よりも翔陽に似ていたし、陽奈らしくなかったからだ
「双子だ」
「双子だな」
夜久の呆然とした呟きに海が頷きながら言った
『嘘笑いって頬が引き攣るんですよね』
陽奈の顔はすぐに元に戻り、両手の指先で少し頬を触った
黒尾はしばらく陽奈を見たあと、ハッとして軽く頭を振った
烏野と梟谷の試合開始の笛が鳴る
翔陽と影山は新しい速攻を使っていた
『翔陽は……成長するな』
陽奈が呟く
音駒の方も試合開始の笛が鳴り、メンバーはコートへ向かった
練習も全て終わり、全員が外に出た
そこではマネージャー達がBBQの準備を行っていたのだ
「おーし!肉だー!」
「腹減ったー!!」
『美味しそう…』
陽奈は目を輝かせて焼かれていく肉を見つめた
「陽奈ちゃん、お皿そこに置いといて」
『はい!』
雀田に言われ、陽奈は肉から目を離し、お皿を置いた
「1週間の合宿、お疲れ、諸君。空腹にこそ美味いものは微笑む」
猫又の話を聞きながらもみんなは野獣の如く目の前の食事を見つめていた
「存分に筋肉を修復しなさい」
「いただきまーす!!!」
全員がBBQに食いついた
「あー!陽奈!それ、俺が取ろうと思ってたヤツ!」
『早い者勝ちー!』
翔陽が箸で掴もうとしていた綺麗に焼かれた肉を陽奈が横からかっさらった
翔陽は取られたというのにどこか嬉しそうで、陽奈は取った後に少し恥ずかしげに斜め下を向いた
「俺、やっぱり陽奈が好きだ!」
翔陽は太陽みたいに笑って肉を頬張る
最近の悩み、兄が嫌い……でも、もう更新してもいいかもしれない
『翔陽、私も今は、あんたがちょっとだけ好きだよ』
陽奈の言葉に翔陽はパァッと顔を輝かせた
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年10月26日 21時