28話 ページ29
『嘘……』
「今の、狙ったのか?見事なブロックアウトじゃねぇか」
黒尾が驚きながら言った
「あ、確かに、リエーフの手の先っちょは狙ったけど」
「何?!」
凄い、狙ってすぐできるわけないのに
「当たったのはまぐれです。俺、そんな正確に打てない…」
「190cmのブロック×3枚だぞ!しかもあんな打ちずらいトス!よく打った!あれは感動した!」
木兎はそう言いながら翔陽の頭を手で上下を挟み、撫で回した
翔陽は恥ずかしげに笑う
「2mの壁を相手に戦う小さな猛者に俺は!」
「また大袈裟な」
「190cmが2mになった」
赤葦と黒尾が呆れたように言った
「俺が!必殺技をさずけよう!」
木兎の言葉に翔陽は目を輝かせた
「必殺技!?」
黒尾と赤葦と陽奈と月島は呆れた目を木兎に向けた
黒尾とリエーフと音駒方面の教室に戻ってる途中に黒尾が口を開いた
「結局良かったの?トス上げなくて」
『翔陽に?木兎さんにあれだけ上げられたので別に』
「日向の前に俺にトス上げてくれよ!」
『リエーフは癖があるから無理』
リエーフの言葉に陽奈は顔を背けながら言った
身長が高くて手足も長い
そんな人と合わせたことなどないのだから木兎のようにすぐ打てるわけでもない
『翔陽は、多分もう少しできるから、今回の合宿で上げなくてもいいと思ってる』
「そんなこと言ってると、高校卒業してもっと会えなくなるかもよ?」
黒尾がニヤリと笑って言う
『そしたら、翔陽は弱いまま卒業したってことになる。あいつに限ってそれは無いと思ってます』
リエーフは不思議そうに陽奈を見たが、黒尾は確信めいた笑顔を浮かべて陽奈を見た
陽奈は既に翔陽にトスを上げる気満々なのだ
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年10月26日 21時