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24話 ページ25

『あの』


陽奈が口を開くと、コートに向かっていた黒尾と木兎と赤葦と月島がこちらを向いた


『………あの』


言っていいのだろうか


自分はただのマネージャー、しかも性別が違う


でも、猫又監督が自主練を見させたんだ


私に、バレーを渇望させた


『木兎さんに、トスを上げたいです!』


陽奈からそんな言葉が出るとは思わなかったのか、黒尾たちはキョトンとしていた


木兎は少しポカンとしていたが、すぐに言葉を呑み込み、嬉しそうな顔をした


「マジで?!黒尾から聞いたんだけど、元女バレのセッターだったんだって?上手いの?!俺にトス上げれるの?!」


『いや、あの、いいんですか?私、女子で、しかもマネージャー』


「自主練なんだし、関係ないんじゃない?僕も、ずっと木兎さんにあげるのは疲れるし」


「赤葦?!」


赤葦の言葉に木兎は驚いたような傷付いなような顔をした


「いいじゃん。日向ちゃんのトス、俺も見たかったし」


黒尾は笑いながら言った


陽奈は少し驚いた後に微笑んで、頷いた


『ありがとうございます!』





次の日、月島は早々に黒尾から習ったブロックを意識して飛んでいた


黒尾は試合中にも関わらず、そんな月島を見て、嫌な笑い声を上げ、研磨は引いていた


翔陽は相変わらず下手っぴのままだっだ


しかし、焦っても何かが変わるわけじゃない


それは本人が1番よく分かってるはずだ


だからこそ、セッターが手を抜いちゃいかんでしょ


「おい!今、手抜いたな!」


翔陽は影山を睨みつけながら言った


「は?手を抜く?俺が?バレーで?」


影山も翔陽を睨みつける


「もう一回、言ってみろよ」


「今の、落ちてくるトスじゃなかった!」


気持ちよく打たせるのはセッターの役目じゃない


セッターは、スパイカーが本当に欲しているボールを持って行ってあげるだけ


余計な仕事はいらない

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作者名:サンマ | 作成日時:2021年10月26日 21時

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