20話 ページ21
木兎と月島の方は、木兎が圧倒的に強かった
「1枚ブロックに勝っただけですよ」
「うるせーな!」
赤葦の言葉に木兎が拗ねたように返す
「じゃあ、2枚でどうだ?」
黒尾がコートに入った
「2枚上等!いくぜ!」
木兎はそう言って赤葦にトスを上げさせる
「メガネくんはストレートをきっちり締めとけよ」
そう言って黒尾はブロックに飛ぶ
月島はストレートを、木兎が狙った場所を黒尾が同時にシャットアウトした
「うぇーい!」
「くそぉ!」
黒尾が両手を上げて喜び、木兎は悔しがる
「うーん、やっぱメガネくんさぁ、読みはいいんだけど、こう、弱々しいんだよな、ブロックが」
木兎の言葉に月島は屈辱を受けたような顔をしていた
「腕とかポッキリ折れそうで心配になる。ガッて止めないと、ガッて!」
「僕、まだ若くて発展途上なんですよ。筋力も身長も、まだまだこれからなんで」
月島の言葉に次は木兎がムッとした
「悠長なこと言ってると、あのチビちゃんにいいとこ全部持ってかれんじゃねぇの?同じポジションだろ」
黒尾がニヤつきながらそう言うも、月島は言い返してこない
あぁ、なんだか分かるよ、君の気持ちが
「それは仕方ないんじゃないですかねぇ。日向と僕じゃ元の才能が違いますからね」
月島は嘘くさい笑みを浮かべながら言う
比べないで欲しい、とあの焼けそうなほど輝く太陽と
そう思うのは、私だけじゃないのか
「あ!またスパイク練習ですか?!俺ブロックやります!やります!」
犬岡がしんとした空気を壊しながら入ってきた
「おい、リエーフ、転がってんじゃねぇ。レシーブ」
「ゲッ!夜久さん!」
リエーフは顔だけ素早く上げて、夜久を見上げた
「ゲッてなんだ!おら、さっさと立て」
夜久のあとから福永も入ってきた
「じゃあ僕、お役御免っぽいんで失礼します」
「あ、おい」
月島は黒尾の制止も無視して体育館を出ていった
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年10月26日 21時