16話 ページ17
｢なぁ、なぁ！スカイツリーどこ？｣
｢え、スカイツリー？｣
ここは埼玉だ、馬鹿
はしゃいでいる翔陽を冷めた目で見ながら陽奈は思った
｢あれって東京タワー！？｣
｢あれは、鉄塔、だね……｣
研磨が戸惑いながら言う
｢何？宮城には鉄塔ないの？あの会話デジャヴなんだけど｣
黒尾が面白そうに澤村に言った
｢東京にある鉄塔は大体東京タワーに見えるんだよ、地方人は！｣
｢おい、それ暴言。あとここ埼玉だから｣
菅原が冷静に突っ込む
｢前回とは違う高校でやるんだな｣
翔陽は周りを見ながら言った
｢夏合宿はいつも森然でやるみたい。涼しいんだ、ここ。虫がすごいけど｣
研磨は腕についた蚊を潰した
『はい、虫除け』
陽奈は研磨に渡す
研磨は腕に虫除けをかけていた
｢陽奈…｣
｢日向ー！！！｣
翔陽が何か話しかけようとした時、リエーフが翔陽を呼んで遮った
｢身長伸びたかー！？｣
「『リエーフ、うるさい』」
研磨と陽奈が同時に言った
｢第一声から失礼だな！たった1週間で伸びるか！｣
研磨と陽奈は2人を置いて歩き出す
｢俺は2mm伸びたぞ｣
｢！？｣
リエーフのそれは伸びたに入らないのに翔陽はあからさまに驚いていた
馬鹿みたい
体育館に移動し、練習試合が始まった
陽奈は烏野の方を気にしていた
強くなると言ったからには、それなりの進化があるのだろうと
翔陽と影山の速攻は機能していない
しかも、翔陽は目を開け、影山のトスミスに左腕で対処していた
猫又が笑い出す
｢ほほぉ｣
陽奈はそんな猫又を見た後、また烏野に視線を戻した
｢うん、実に子気味よい。子気味よいほどに｣
烏野はまた攻撃に失敗していた
｢噛み合ってないね｣
今、シンクロ攻撃をしようとしていた……
｢すまん、カバー！｣
｢任せろぉ！！｣
菅原の言葉に西谷が張り切って前に飛び出した
リベロは前衛に来ちゃダメなのに…！
西谷はアタックライン手前でジャンプした
『トス……！』
しかし、タイミングが合わず、西谷は着地
ボールは別で落っこちる
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作者名：サンマ | 作成日時：2021年10月26日 21時
