Ep.80 ページ31
｢見る必要は無い、ハリー。家に帰ろう｣
｢私は何もしないで見過ごすんだ……シリウス、見なければならない｣
｢それなら、私たち全員が立ち合おう。我が親友のためにも｣
そう言ってシリウスはハリーの肩を優しく叩き、ジニーへ視線を移してハリーを託した
｢全員で見るんだ｣
ロンが呟いた
全員がヴォルデモートの向かっているポッター家を見つめ続けた
聞きなれない声がする
｢リリー、ハリーを連れて逃げろ！やつだ！行け！逃げろ！私がやつを食い止める……｣
爆破の音、そして笑い声
｢近寄るな、分かったか！近寄るな！｣
｢アバダケダブラ！｣
緑の光が目の前に広がり、ハリーが身をすくめ、シリウスはグッと拳を握った
｢あぁ、ジェームズ｣
シリウスの呟く声は酷く震えていた
アルバスとAはそんな自分の父親の手を取った
2人はその手をしっかりと握りしめた
｢あの人は、できる限りのことをした｣
アルバスが静かに言った
ジニーがハリーの隣で立ち上がり、ハリーのもう一方の手を握った
母もシリウスの手を握る
父親である2人は子供と妻の手に寄りかかるようにして、体を支えられていた
｢母さんだ、窓のところに。母さんが見える。美しい人だ｣
バーンという激しい音
ドアというドアが吹き飛ばされる音がした
｢ハリーだけは、ハリーだけは、どうぞハリーだけは……！｣
｢どけ、バカな女め……さぁ、どくんだ……｣
｢ハリーだけは。どうかお願い。私を、私を代わりに殺して……｣
｢これが最後の警告だ｣
｢ハリーだけは！お願い……助けて……許して……この子だけは！お願い！私はどうなっても｣
｢アバダケダブラ！｣
稲光がハリーの体を突き抜けて行くように感じた
ハリーは床に倒れ込み、シリウスは母を抱きしめて肩に顔を埋めた
悲しみで打ちのめされている
押し殺した悲鳴のような音が、全員の周りで、低く、高く続いた
全員がただ見守っている
さっきまでそこにあったものが、ゆっくりと消えていく
ハリーも、家族、友人たちも、時計の回転とともに消えていった
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マシュマロ - とても面白くて読んでいてとても (10月22日 2時) (
レス) @page36 id: c1ecb663ab (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» ユズナさん、いつもコメントありがとうございます！すごく励みになります！シリウスは家族に激甘なので、すぐ丸め込まれてくれるイメージですw (7月3日 21時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - また書いて下さる時を楽しみにしています！すっかりこの小説にハマりましたwスネイプ先生、かっこよすぎ！シリウスが丸め込まれてるの見てて面白かったですww (7月2日 23時) (レス) @page2 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2023年6月26日 12時
