Ep.53 ページ4
｢愛してるわ、A。あなたを誰よりも大切に思ってる｣
『分かってるよ、母さん。私だって愛してる』
そう言って2人はしばらくの間、涙を流しながら抱き合ったのだった
『ねぇ、母さん。父さんは？』
｢女子寮には入れないから外で待ってる。あなたが帰ってきてから凄くソワソワしているみたいだった｣
その言葉にAは不安げに顔を歪めた
｢大丈夫。シリウスは滅多に怒らない人だもの｣
そう言って母は笑った
確かにシリウスがAや母に怒ったことは記憶の中ではあまりない
危ないことをしても笑って助長したり、笑って窘めたりする程度で母がそれにブチギレているという構図の方がしっくりくる人だ
2個目の世界でもシリウスはAを心配しているだけで怒っている様子はなかった
『そう、だよね』
そう言って曖昧に笑い、2人で談話室に降りていくと、ソファに座っていたシリウスがパッと顔を上げた
｢どうしてこんなことをしたのか、話してくれないか？｣
シリウスの少し硬い声にAは思わず足を止めて、驚いたようにシリウスを見つめた
｢いつだって母が怒る。だが、私に怒りの感情が無いわけじゃないんだ。A……ここに座りなさい｣
そう言ってシリウスは自身の隣をポンポンと叩いて示した
Aは不安そうに母を見上げたが、母は安心させるように微笑んで頷くだけで、Aはいつものシリウスと違う彼の様子に緊張しながら隣へ座った
座った瞬間シリウスに抱きしめられ、Aは少しばかり唖然とする
身体を離したシリウスの眉間にはシワが寄っていた
｢どれだけ母が心配したと思ってるんだ！｣
その言葉は強く、Aの鼓膜をゆさぶった
『私……』
｢列車から飛び降りたと聞いて、安否を心配しない親だと思ったのか？お前の行動を褒めると？それとも、大変だったな、と慰めると？｣
シリウスは未だに怒った顔のままそう言い、Aは思わず顔を伏せた
｢確かに私はお前を甘やかしすぎた。母に何度も注意されてきたが、ジェームズとやるお前のイタズラの全てに目を瞑ってきた。だが、これはイタズラにしては度が過ぎている。分かってるな？｣
『はい』
そう言ってAは息を吐き出した
母がシリウスの隣に座って肩を触る
｢シリウス、もういいでしょう？｣
その声があまりにも笑みを含んでおり、Aは不思議そうに顔を上げて2人を見つめた
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マシュマロ - とても面白くて読んでいてとても (10月22日 2時) (
レス) @page36 id: c1ecb663ab (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» ユズナさん、いつもコメントありがとうございます！すごく励みになります！シリウスは家族に激甘なので、すぐ丸め込まれてくれるイメージですw (7月3日 21時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - また書いて下さる時を楽しみにしています！すっかりこの小説にハマりましたwスネイプ先生、かっこよすぎ！シリウスが丸め込まれてるの見てて面白かったですww (7月2日 23時) (レス) @page2 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンマ | 作成日時：2023年6月26日 12時
