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Ep.79 ページ30

「私たちは、あいつらと同じであってはならない」


ハーマイオニーが言う


「あぁ、じれったいけど、それが僕たちの学んだことだ」


ロンも頷いた


「理性的な判断が難しい時もあるけどね」


母はそう言って肩を竦めた


「私の心を奪ってくれ。記憶を奪ってくれ。私が何者かを忘れさせてくれ」


今ではデルフィーのその姿は酷く哀れだった


「いいえ、お前をもとの「時」に連れ戻す」


そう言って母はデルフィーを睨みつけた


「そして、アズカバンに送る。お前の母親と同じように」


ハーマイオニーが言った


「そこで朽ち果てるがいい」


シリウスも非情に言った


その時、ハリーがある音に気がついた


シューシューと言う蛇のような音だ



死を思わせる音が聞こえてくる



「あれはなんだ?」


スコーピウスが呟いた


「ダメだ、ダメだ、まだ来ないでくれ」


少しだけハリーは怯えているように見える


「なんなの?」


「ヴォルデモートだ」


アルバスの言葉にシリウスが言った


「父さん?」


デルフィーが希望を持って顔を上げる


「今?ここに?」


「お父さん!」


「シレンシオ(黙れ)!」


ドラコの呪文によってデルフィーは猿轡をはめられたように黙った


「ウィンガーディアム・レビオーサ(浮遊せよ)!」


ドラコはデルフィーの体を宙に上げる


「やつが来る。たった今やってくる」


ハリーの言葉のとおり、ヴォルデモートは町へとやってきた


彼の行くところには死がある



それを誰もが知っていた



ハリーは為す術もなくヴォルデモートの後ろ姿を見つめていた


「ヴォルデモートが私の父と母を殺す。なのに、私はやつを止めることが出来ない」


「そんなことはない」


「父さん、今はその時じゃないんだ……」


ドラコの言葉にスコーピウスは首を振った


「何か出来ることはあるかもしれない。あいつを止めるなら。でも僕たちは何もしない」


そう言ってアルバスは成り行きを見守る


「雄々しいことだな」


ドラコは苦々しく言った


シリウスがハリーの肩を強く触った


その強さからハリーはシリウスも悲しみや怒りを堪えていることを悟った

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マシュマロ - とても面白くて読んでいてとても (10月22日 2時) (レス) @page36 id: c1ecb663ab (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» ユズナさん、いつもコメントありがとうございます!すごく励みになります!シリウスは家族に激甘なので、すぐ丸め込まれてくれるイメージですw (7月3日 21時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - また書いて下さる時を楽しみにしています!すっかりこの小説にハマりましたwスネイプ先生、かっこよすぎ!シリウスが丸め込まれてるの見てて面白かったですww (7月2日 23時) (レス) @page2 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サンマ | 作成日時:2023年6月26日 12時

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