Ep.75 ページ26
「みんなでドアの陰に隠れましょう。ハリー、彼女をここに連れてきたら」
そう言いながらハーマイオニーは床の先のバラ窓を指さした
「私たちが飛び出して、彼女に逃げる隙を与えない」
「それから一緒にバッサリやる」
ロンはチラリとドラコを見てもう一度言った
「ハリー、やめるなら今が最後だ。間違いなく、君にできるね?」
そう言ってシリウスはハリーの両肩を優しく触った
「もちろん、できる」
ハリーは強く頷いた
「いや、あまりに詰めが甘い……失敗しそうなことが多すぎる。変身が上手くいかないかもしれない。彼女が見破るかもしれない……もしも今、彼女に逃げられたら、どんなに大きな被害をもたらすか分からない。適切な計画を立てる時間が必要で……」
「ドラコ、僕の父さんを信じて。決して僕たちを失望させないよ」
そう言ったアルバスをハリーは胸を打たれながら見つめた
「杖を」
ハーマイオニーの言葉と共にそれぞれが杖を出し、ハリーも杖を握った
ハリーの立っている場所で、呪文の光がだんだん大きくなる
変身は、ゆっくりと、息詰まる恐ろしさで進んだ
そして、ハリーの姿が消え、ヴォルデモートの姿が現れる
身の毛もよだつ光景だ
ハリーであるヴォルデモートが振り返り、友人と家族を見回し、みんなも見つめ返した
「なんてこった」
ロンが掠れた声を上げる
「上手くいったということだな?」
ヴォルデモートの声でハリーが聞いた
「えぇ、上手くいったわ」
ジニーは重々しく頷いたのだった
作戦が決行され、全員が急いで配置に付く
それぞれが2箇所の大きなドアの後ろに隠れ、ハリーが再び教会に入って数歩進んで後ろを振り返った
「俺様の跡をつけるのは魔女か、魔法使いか。どっちにしろ、後悔することになるぞ」
その言葉と共にハリーの後ろにデルフィーが現れた
デルフィーはこの瞬間を、これまでずっと待ち焦がれてきたのだ
「ヴォルデモート卿。私です。貴方の跡をつけているのは」
「俺様はお前など知らぬ。去れ」
デルフィーは深く息を吸った
「私はあなたの娘です」
「お前が娘なら、俺様はお前を知っているはずだ」
それでもなお、デルフィーはすがるようにハリーを見つめた
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マシュマロ - とても面白くて読んでいてとても (10月22日 2時) (レス) @page36 id: c1ecb663ab (このIDを非表示/違反報告)
サンマ(プロフ) - ユズナさん» ユズナさん、いつもコメントありがとうございます!すごく励みになります!シリウスは家族に激甘なので、すぐ丸め込まれてくれるイメージですw (7月3日 21時) (レス) id: e98e7ad213 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ - また書いて下さる時を楽しみにしています!すっかりこの小説にハマりましたwスネイプ先生、かっこよすぎ!シリウスが丸め込まれてるの見てて面白かったですww (7月2日 23時) (レス) @page2 id: d0e30b129b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンマ | 作成日時:2023年6月26日 12時