17話:恋心 ページ18
「侑に全日本ユース強化合宿の招集がかかった」
監督の声に部員たちはざわめく
「詳細は後で連絡するとして、行くか?」
「もちろんです!」
監督の言葉に侑は大きく頷いた
『さすが、侑やな』
美南がそう言って侑を見ると、侑は治を見ていた
治はあんまり悔しそうじゃない顔で体育館の扉前に立っていた
『侑、喧嘩すんなよ』
「それはあいつ次第です」
侑はそう言って治の元へ向かった
美南はため息をついてマネージャーの仕事を始める
侑と治の実力にそれほど差はない
侑は否定するだろうが
唯一差があるとすれば、侑の方が治よりちょっとだけバレーを愛しているのだ
美南は北の自室でゴロゴロしており、北はそれに気にせず勉強していた
『侑、平気やろか』
「何がや?」
北が教科書から目を離さずに返す
『ユース合宿や。あいつ人格破綻者やからな。周りからまた嫌われるんちゃうかなと思って』
美南の言葉に北は教科書から目を離して美南を振り向いた
『なんや?』
「美南は俺が思とるより双子のこと好きよな」
北の言葉に美南は首を傾げた
『そやろな。けど、一番は信介やから、安心せえ。あいつらのは親心みたいなもんや』
美南の突然の爆弾発言に北は目を見開いた
『信介は私にとっての親友で幼馴染みで、父親みたいなもんよな』
続けて言われた言葉に北は微笑むのが正解なのだろうが、どうにもそれが出来なかった
父親みたい、と言われて、じゃあちゃんとしろや、と思ったからじゃない
少し寂しかった
北はようやく美南のことが恋心で好きなのだと自覚した
『信介、どしたん?』
美南は北の顔を覗き込むように見てきた
北が美南に目をやると、襟元から谷間が見えていた
美南は胸が大きいから大体部屋着は大きめの服を着ていることが多い
「美南、風邪引くで。上、着いや」
北はバレない程度に目を逸らしながら平常心を保って言った
『あ、信介は父親っちゅうより母親やな』
美南は稲荷崎のジャージを着ながら笑った
「そんなん、ちゃうよ」
北の呟いた声は美南には届かなかった
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あまね(プロフ) - 完結おめでとうございました!久しぶりに見てめちゃキュンさせてもらいました!ありがとう御座います! (11月18日 0時) (レス) @page39 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
あい - Eカップは大して珍しくないですよ。 (2023年1月4日 9時) (レス) @page10 id: ab06a6fc10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンマ | 作成日時:2021年11月21日 18時