東リベ “桃太郎”の犬塚【佐野万次郎】1st

6話　メビウス ページ7

夜中、ちょっと小腹が空いたため、前開きのパーカーを着てマスクをしてアパートを出る。コンビニでアイスを箱買いして、食べながら帰っていると公園で騒いでいるのが見えた。

通り過ぎよーっと思ってたけど、女の人の悲鳴も聞こえてきた。


パーカーのフードをかぶり、近づいてみると1人の男は上半身脱がされた状態で手は後ろで縛られていた。顔や体には殴られでもしたのか腫れあがっていた。

そして、1人だけ女の人がいて大勢の男達に囲まれて、殴られたり蹴られたりされており、衣服も少しはだけていた。


A「おい。」


「あ？」

「何だてめぇ。」


A「何してんだ、お前ら。」

女「たっ！たすけてっ！！」

「俺らがメビウスだって知ってんのかコラ。」

「お前もこいつらみてえにしてやんよ。」

1人の男が殴りかかってきたため、回し蹴りをかます。

A「汚ねえことしてんじゃねーぞ。」


「おい・・・こいつ、“桃太郎”の犬塚じゃねーか？」

「まじかよ・・！！」

「おい！逃げるぞ！！」


A「逃げれると思ってんの？頭悪いね、お前ら。」


そのまま、公園にいた男どもを全員蹴り倒し気絶させる。


女の人は私が蹴り倒している間に気絶したのか、目を閉じて横たわっていた。見た感じ、顔もひどいが、体もおそらく殴られたりしたはず。

時間が経ってちょっと溶けたアイスを袋から出さずに、そのまま顔など腫れあがっている部分に氷嚢代わりに当てて冷やす。

縛られていた男の方へ行き、縛られていた縄を解く。

男「あ、ありがと・・・。」

A「あんたも、これで腫れてるとこ冷やしな。」

男にもちょっと溶けたアイスを渡し、救急車と警察を呼ぶ。

A「これ以上巻き込まれたくないから帰るわ。あとよろしく。」

男「本当にっ・・・ありがとうっ・・・！」

多分泣いてんだろうな、泣き顔は見られたくないだろうから振り向かないでおこう。

A「お大事に。」

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