58話 ページ9
A視点
ちゃんとした説明ねェ……
「次は捕まえるとかじゃ納得出来ない？」
「出来ませんが……
っ……貴方が言いたくないのでしたら、私達はこれ以上何も聞きません。
大人しく引き下がります」
顔を俯かせ、手を握りしめたハートの姿を見てアタシは頭を抱えた
……参ったなァ
多分、アタシへの信用度も下がってるだろうし、きっと失望したとか言いかねないな
まァ、その時は部下を全員違う人の元に配属させれば問題ないか
元々アタシ1人でも問題はない訳だし
「しかし、私達は貴方が何も言ってくれない程頼りないのでしょうか……？」
ハートが不安そうに聞いたその言葉はアタシの想像してた言葉とは全く違うものだった
「私達は別に貴方が海賊の味方をしようと海賊相手に恋に落ちようと誰にも言うつもりはありません！！
ですが、何も言わないと言うのはそれ程私達は貴方に信用されていないのでしょうか……？
私達ではまだまだ実力不足ですか……？」
！そんな事を言われるとは……
「そんな事はないよ。
アタシは皆んなの事を信用してるし信頼してる」
「でしたら……！！」
「だけど、この場合はそれとコレとは別問題なの。
アタシは確かに麦わらを逃した。
でも、もしそれが態とだとして皆んなに言えば罰を受けるのは知っていた全員。
だけど、知らなければ指示をしたアタシだけが罰を受ける。
ハート、覚えておいて。
アタシはもし皆んなが何かしでかしたとしても一緒に頭を下げるくらいの事はしてあげられる。
だからと言ってアタシがしでかした事を貴方達に背負わせるつもりはない」
コレはアタシみたいなのに付いてきて仲間である海兵から後ろ指をさされ続けるであろう貴方達に出来るせめてもの行為
「！……分かりました……
すみませんでした。
私の浅はかな考えで……」
「元はと言えば疑うような事をしたアタシが悪い。
嫌ならアタシの部下から違う所へ移動しても構わない」
「！そんな事しませんよ！！
やっと、貴方と一緒になれたんです。
貴方の考えは全く理解出来ませんがそれでも私は貴方の事を理解したい。
隣にとは言いません。
責めて後ろに居る事くらいはさせて下さい」
俯きがちになったハートに向かって椅子から立ち上がり頭を撫でた
「こんなアタシの後ろでいいんだったら、いくらでも居ていいよ」
「！はい！！
ありがとうございます！！」
パッと顔を上げて嬉しそうな表情をしたハートは何時も落ち着いているけど、何処となく幼さが残る表情だった
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