83話 ページ34
A視点
「相手をしたのはわし等だけでもないからな！
今の大将達にも稽古を付けられていたが、コレもまァ実力がないから最初は酷いもんじゃったよ！
ボルサリーノからは体を能力で貫かれ、サカズキのマグマで体が焼かれ、クザンの氷により凍らされて……
何回三途の川を見た？」
「……100回くらい生死を彷徨った後から数えてませんけど……」
ガープさんの問いに視線を逸らしながらそう答えた
「幼いとは言え弱かったからなァ！
それを人によっては特別扱いと言う奴も居るじゃろう。
しかし、大半がコレをして辞めて行くのが目に見えているからやらないのであって、そんなに特別扱いされたいのなら今すぐにでも稽古を付けてやろう！」
「へ！？あ、えっと……」
ナナはさっきまでの覇気が見えず完全に戦意喪失し、オドオドしていた
「ん？なんじゃ。
望んでいた特別扱いを受けるんじゃぞ？」
「良かったじゃん。
特別扱いされたかったんでしょ？
A中将と同じ事してくれるって」
「え、っと……あの、私……」
逃げ場が無くなりナナは後退りを始めたが、即座にハートが背後を取り逃げ道を無くした
「逃げる事はないでしょ？
海兵として、自分のやった落とし前くらい付けなさいよ」
「っ……！
ご、ごめんなさい……！！」
震えた声でそう叫んでハートを押し切りナナは出て行った
後日、ナナは海兵を辞めたらしい
センゴクさんに辞表を提出した際、怯えきった表情をしていたとの事……
「いやァ、ガープ中将ナイスでしたよ。
まさか、そんな嘘を吐くなんて」
ナナが出ていったのを見送ってハートはそう言った
「？誰が嘘じゃと言った？」
「え……？」
「全部本当の話だよ」
クザンさんも肯定した言葉にハートは叫び声を上げた
「だからつい甘やかしちゃうのかもなァ。
ほら、厳しくやる時はやるけど、Aちゃんの事は小さい頃から知ってるからさ」
「な、成る程……
A中将、よく生きてましたね……」
「アタシも常々思うよ」
そのお陰もあって強くなれた部分はあるけれど……
「流石A中将。
私も耐えられるように日々精進していきます！」
ピシッと敬礼をしたハートにガープさんは豪快に笑い、アタシも微笑みながらハートの頭を撫でた
結果的にクザンさんに秘書を付けてもアタシの仕事量が変わらなかったのでクザンさんの秘書はほんの数ヶ月で無くなった
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