53話 ページ4
A視点
「あの、どうして追わなかったのですか？」
項垂れていたらハートにそう聞かれた
「ん〜？
……まァ、簡単に言えば部下の尻拭いってやつだよ」
ため息を吐きながらハートにそう答えたがハートは全く納得していない様子だった
アタシだって納得いく訳がない
けど、スモーカーの気持ちが分からない訳じゃない
【今回だけでいい。
麦わらの一味をアラバスタから逃してくれ】
そもそも、彼奴がアタシに頼み事をしたのは初めてだった
それも相まってなのか、ついその頼み事を引き受けてしまった
もし、麦わらが大物ルーキーなんかになったりしたらアタシが責められるんだからね
スモーカーに対しての文句を並べながらも結局逃したのは自分だ
処罰くらいは受けるつもりだ
そんな事を考えながらインペルダウンに着き、連れてきた海賊達を全員インペルダウンへ押し込み、残った船を持って本部へと戻った
本部に戻ったら船の後始末はヒナがしてくれるそうなので船は任せてアタシはセンゴクさんの元に報告へ向かった
「で……逃したと言うのか」
「はい」
「バカモン！！
何の為にお前を行かせたと思っておる！！」
「別に好きで海賊なんかを逃す訳ないじゃないですか。
八つ当たりされても困ります」
「ハァ……全く……！！
今度は取り逃すなよ！！」
「はーい」
意外と短めな説教だけで済んだので良かったと思いながらクザンさんの執務室に行き、今日の仕事は誰が引き継いだのかを聞いたらクザンさんが直々にやってくれたらしくお礼を言った
「あー、まァその……なんだ。
珍しく取り逃したらしいな、Aちゃん」
「えぇ、まァ……
上手く逃げられましたよ、麦わらに」
「麦わら……ねェ……
そういやインペルダウンへ投獄した中にニコ・ロビンと言う女は居たか？」
？ニコ・ロビン……？
そんな名前の海賊は見てないような……
「いいえ、恐らく居ませんでしたが……
何か問題でも？」
「ちょっとな。
クロコダイルの元に居て捕まってないのなら次は……」
そこまで言ってクザンさんはとても難しい顔をしていた
「何か気になる事でも？」
「いいや、なんでもない」
「そうですか。
ところで、さっきから気になっていたのですが……
隣に居る女性はどなたですか？」
さっきから海軍の制服を着た女性が何故かクザンさんの隣に立っていて気になって仕方なかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
